成長が続くドラッグストア業界は何をめざすのか?
日本薬剤師会の機関雑誌に寄稿
「DgS、薬局、病院で働く薬剤師は、それぞれが遠く離れていた。しかし現実には、それぞれが同じ仕事を担っている部分もあり、今は相互に近づいている。そんななかで、昨年、『日本薬剤師会(東京都)とJACDSはもっと接近するべきだ』という声を受け、JACDS会長として、日本薬剤師会の機関誌に寄稿した。これからは、薬剤師はますます同じような方向に向かっていくと考えている」
「JACDSの薬剤師は、治療薬の供給だけでなく、『食』と合わせて健康支援を行うことを実践していかねばならない。世に健康情報はあふれているが、一般用医薬品や栄養について、薬剤師や医薬品登録販売者、管理栄養士は、生活者の立場に立った情報提供を積極的に行うべきだ。薬剤師としても栄養のことに関心を持たなければいけない。そうでなければ、地域の人の健康を守れない時代になってきている」
「日本の年金制度について、厚生労働省から次のような話を聞かされた。『1950年当時の厚生年金は、お神みこし輿のように、十数人で1人の高齢者を担いでいた。それが00年になると、3~4人で高齢者1人を担ぐ騎馬戦になった。今のままのペースで、生産年齢人口が減少していくと50年には現役世代1人が高齢者1人の面倒を見る“肩車”になってしまう。しかしながら、働く人の年齢を75歳までにすると、50年は騎馬戦に持ち込める』。DgSは健康寿命の延伸をサポートするなかで、セルフメディケーションを推進しているが、75歳まで健康で働ける人たちの後ろ盾になりながら取り組んでいきたい」
「20年以降、多くの企業、業界、業態が低迷するといわれている。人口および所得の減少が続き、これまで市場全体の拡大に合わせて成長を助けられてきた業態は、難しくなっていく。これからは、さまざま業態が社会にどういう影響を与えることができるかが重要だ。われわれDgSの場合はどうか。『街の健康ハブステーション』として、その機能をしっかり示すことができれば、多くの生活者は、今まで以上にDgSを利用するだろう。われわれDgSは『小売業のリーダーとしての役割を担っている』という思いでまい進していく」