[26日 ロイター] – リフィニティブのデータによると、アナリストがアジア企業の来年の利益予想を上方修正している。米中貿易交渉への期待や金融緩和を背景とする景気回復見通しが背景。
大企業・中堅企業の利益予想は過去1カ月で0.8%上方修正された。来年の予想は13%の増益。今年の予想は4.5%の増益となっている。
野村証券(シンガポール)のストラテジスト、Chetan Seth氏は「日本を除くアジア企業は来年、利益が上向くだろう。前年の利益が少なかったことや、(半導体)メモリーのサイクルが底入れしたとみられることが理由だ」と述べた。
国別では、インド企業が来年36%の増益でトップとなる見通し。韓国企業、ベトナム企業が続いた。
ダイワ・キャピタル・マーケッツ(香港)のアナリスト、パトリック・パン氏は「引き続きインドを最大のオーバーウエートにしている。法人税減税で内需が改善し、利益予想が上方修正されている」と述べた。
中国企業は14%の増益となる見通し。
アジア株は昨年低迷したが、今年は大幅高となっている。アナリストによると、来年の業績への期待が主因。MSCIアジア太平洋株指数(日本を除く)は今年10.5%値上がりしている。
ゴールドマン・サックスはリポートで「アジア太平洋株の来年のドル建てトータルリターンを8%と予想する。世界経済が循環的に上向き、地元企業の利益が回復する」と指摘。
ただ「市場はすでにこうした見方を織り込んでいるため、割高感が出て、プラスだが、ほどほどのパフォーマンスとなる可能性がある」と述べた。