鮮魚専門店「sakana bacca」のユニークな差別化戦略とは?

文・構成:西岡 克(フリーランスライター)
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

百貨店に再進出!? 出店エリアも拡大へ

 今後は、鮮魚専門店としての強みを生かし、珍しい魚に付加価値を加えて販売することで、食品スーパーとの差別化を図る。また、低利用魚の活用も引き続き推進していく方針だ。

 これまで取り組んできた自治体や企業と連携した産地フェアなどのプロモーションは、さらに強化。全国各地の産地の魚の魅力を発信することで、地域の水産業支援にもつなげていく。

 出店計画については、サカナバッカの提供価値を存分に発揮できるエリア、施設を見極めながら進めており今年3月には「エキュート大宮」(埼玉県さいたま市)に埼玉県初の店舗を出店。今後首都圏内での展開を拡大していく考えだ。

 デリカショップ形態の店舗は、駅ナカに限らず、百貨店など商業施設への展開も検討している。百貨店が核となる商業施設では、20年に玉川髙島屋SC(東京都世田谷区)への出店実績もある(同店舗は20222月に閉店)。254月には横浜髙島屋で1週間の催事を実施した。

髙島屋での催事の模様
髙島屋での催事の様子

 さらに、出店だけに依存しない新たな収益基盤の構築にも取り組んでいる。商品のデリバリーサービス、自治体との連携事業、オリジナル商品の小売店向け卸販売の拡大など、新たなビジネスの立ち上げも模索している。

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取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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