商品開発で持続可能性と成長の両立めざすイオンのサステナブル戦略とは
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)小売業のリーディングカンパニーとして先進的にサステナビリティを実践しており、その活動は多岐にわたる。なかでも今回は、小売業のビジネスの要ともいえる、「商品」を通じた取り組みの最前線を取材した。同社は、サステナビリティに配慮した商品をより日常的に購入してもらうための工夫や、生産・流通段階まで踏み込んだ改革による生産量拡大や付加価値の創出によって、持続可能性と事業成長をともに実現しようとしている。
「グリーンアイ」強化で売上高1兆円めざす
イオンは2023年春、グループのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」のリポジショニングを行った。「トップバリュ」の23年2月期のグループ全体売上は、前年同期比7.6%増の9025億円と大きく伸長。24年2月期は、「独自価値商品の創造」「環境・社会への取り組み促進」「インフレ下での価格戦略」という3つの商品政策の推進、リポジショニング、生鮮・デリカを除く全アイテムの50%に当たる約2500品目をリニューアル(新商品を含む)して投入することによって、同10.0%増の1兆円の達成を目標としている。
新しいブランド体系で柱とするのが、メーンブランドの「トップバリュ」、価格訴求型の「ベストプライス」、環境や安全・安心に配慮した「グリーンアイ」の3つのシリーズだ。イオントップバリュ取締役ブランド&コミュニケーション本部長の森真紀氏は「『トップバリュ』のほか、需要の高まっている『グリーンアイ』への注力が、目標達成につながる」と語る。
加えてイオンは、23年6月2日に実施したメディア向け説明会のなかで、商品を通じたサステナビリティの実現に向けて、新たに2つの方針を発表した。
1つは、25年までにすべてのトップバリュ商品に何らかの環境配慮資材を使用する取り組みを進め、「Reduce(へらす)」「Reuse(くり返し使う)」「Recycle(リサイクル)」を表す自社独自の「環境配慮3Rマーク」を商品パッケージに表示していく。
もう1つは、
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