コープさっぽろ、ロイヤルティプログラム核とするマーケ戦略の全貌

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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コープさっぽろは1998年と早期よりPOSデータの公開を開始し、取引先とともに品揃えや売場づくりを実践するなど、小売業界でも先進的にデータを活用したマーケティング活動に取り組んできた。最近ではポイントプログラムとアプリを軸とするマーケティングへ舵を切り、供給高の伸長や組合員のロイヤルティ向上に着実に効果を発揮している。

全国に先駆け取引先にPOSデータを公開

 コープさっぽろがPOSシステムに記録されている全店舗の商品情報を取引先に公開したのは1998年。これは全国の生協はもちろん、全国の食品スーパー(SM)に先駆けた取り組みであった。水産部門に始まり徐々に部門を拡大し、2003年にはウェブ経由でPOSデータの取得を可能にした。目的はPOSデータの分析に基づく品揃えや売場づくりの改善を、取引先とともに進めることで競争力を高めるためだ。

川崎正隆部長
店舗本部マーケティング部の川崎正隆部長

 コープさっぽろがデータ分析の重要性を早く認識したのは、世界に先駆けてID-POSデータの活用に着手した英SM最大手テスコ(Tesco)をベンチマークしていたからだ。コープさっぽろ店舗本部マーケティング部の川崎正隆部長は「データは内部で持っていても使われなければ意味がない。各カテゴリーに精通するメーカーにもデータを共有し分析してもらい、改善のアイデアを提案してもらうほうが的確でスピーディだ」と、データのオープン化に至った背景を明かす。

マーケティング部ミーティング
マーケティング部では、取引先の出向者を含めて20~30代の若い人材が、小売のデータマーケティングの実践を積んでいる

 そして

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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