エンチョー、DCM傘下へ 予想を覆した衝撃のM&A

ダイヤモンド・ホームセンター編集部

コーナンはどう動くか?

 成熟市場で合従連衡が活発化するなか、近年HC業界の再編の受け皿となっていたのはDCMHDとコーナン商事(大阪府/疋田直太郎社長)の2社である。エンチョーは22年6月からコーナン商事のPB商品の供給を受けていた。

 そのことから、「エンチョーは将来的にコーナングループに参入するのではないか」とみる業界関係者もいた。実際に、コーナン商事からPB供給を受けていたホームインプルーブメントひろせ(大分県/村上文彦社長)が完全子会社になるという事例もあったからだ。

 DCMHDが4月に発表した26年2月期の売上高の見込みは対前期比1.7%増の5536億円。ここにエンチョーの売上高約330億円が加わると約5800億円となる。

 HC首位のカインズの25年2月期売上高が5738億円であることから、順位が入れ替わる可能性もある。コーナン商事も25年2月期に初めて5000億円を突破しており、上位3社による首位争いが熾し れ烈つ化している。

 今後、エンチョーはどのようになるのだろうか。直近でDCMHDと経営統合したケーヨーの例を見ると、まず数年間かけて、全店舗で改装を行い、棚割り、商品を統一していく。それらが一巡する見込みが立ったタイミングで、事業会社DCM(東京都/石黒靖規社長)に吸収合併され、屋号も「DCM」へと順次切り替えていった。静岡県内にはDCM店舗が30店舗あり競合する店舗が多いものの、エンチョーも同様の方向性で統合される可能性が高い。

 一方、これまでPB供給で協業していたコーナン商事は静岡県内にHCと「コーナンPRO」を合わせて5店舗のみの展開にとどまっていた。今回の統合で協業関係がなくなったことから、今後、静岡県に積極出店していく可能性も考えられる。

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