VAIO買収のノジマ M&A巧者の成長戦略と10年で株価6倍の理由
ノジマ、成長戦略としてのM&A

ノジマといえば、特色あるM&A(合併・買収)で有名です。ITX、ニフティ、スルガ銀行(持分法適用後売却)、セシール、コネクシオ、マネースクエアホールディングスなど連続的にM&Aで事業領域を拡大しています。
同社のセグメント別総資産額の推移(下図参照)を見ていただくとキャリアショップ事業と金融事業においてM&Aを通じた成長戦略を遂行していることがわかります。なお、2024年3月期において、総資産にしめる無形資産は18%、うちのれんは8%であり、同業他社と比べて大きな数値となっています。

次に、経常利益をセグメント別に見る(下図参照)と、デジタル家電専門店事業、キャリアショップ事業、インターネット事業が中核を担い、金融事業・海外などの利益寄与はまだ少ない状況です。

しかし、減価償却前・のれん償却前の利益であるEBITDAをセグメント別にみる(下図参照)と、事業ごとに満遍なく現金を生んでいることがわかります。投資額に対するリターンという点ではもう少し推移を見なければなりませんが、これまでのところ総じて言えば、投資先をうまく生かしているように見受けられます。

椎名則夫の株式市場縦横無尽 の新着記事
-
2025/05/09
止まる円安を追い風にできるか 間もなく発表されるニトリHD決算に期待すること -
2025/03/10
西友買収でトライアルは首都圏をこう攻める?アナリストが評価する意外な点とは -
2025/01/10
24年もっとも上昇/下落した小売株上位20!25年の小売株、4つの注目点とは -
2024/12/16
VAIO買収のノジマ M&A巧者の成長戦略と10年で株価6倍の理由 -
2024/09/24
クシュタール買収提案でセブン&アイがいますぐすべきことと3つのシナリオとは -
2024/08/19
円安修正で国内成長力に再注目!良品計画に広がるチャンスと課題とは
この連載の一覧はこちら [64記事]
関連記事ランキング
- 2025-12-01【特別レポート】カインズ、ノジマが導入、顧客満足度と業務効率を変えた位置情報DX
- 2022-10-13すべて逆張り!?「感動接客」のノジマが仕掛ける、家電不毛地帯への出店戦略の勝算
- 2025-06-27家電量販決算2025 さらに加速する“脱家電”の動きで新たな成長段階に
- 2023-04-14家電の品揃えを拡大するニトリの深謀 さらなる成長にはエディオンとのコラボがカギに
- 2024-12-16VAIO買収のノジマ M&A巧者の成長戦略と10年で株価6倍の理由
- 2022-12-21百貨店跡地再生に強みのヨドバシカメラ 図表でわかるビックカメラとの都心争奪戦の行方
- 2025-09-11家電量販店売上ランキング2025 消費回復追い風に各社増収
- 2025-09-08ドラッグストアの存在感さらに大きく……国内小売2025年売上トップ10社の顔ぶれ
- 2019-10-02コジマ、65歳以上を対象とした会員カード発行、ポイント増加などの特典付与
- 2020-05-15ヤマダ電機、コロナの影響で自己株取得中止 319億円分は取得済





前の記事
