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VAIO買収のノジマ M&A巧者の成長戦略と10年で株価6倍の理由

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ノジマ、成長戦略としてのM&A

ノジマ、多彩なグループ企業一覧

  ノジマといえば、特色あるM&A(合併・買収)で有名です。ITX、ニフティ、スルガ銀行(持分法適用後売却)、セシール、コネクシオ、マネースクエアホールディングスなど連続的にM&Aで事業領域を拡大しています。

 同社のセグメント別総資産額の推移(下図参照)を見ていただくとキャリアショップ事業と金融事業においてM&Aを通じた成長戦略を遂行していることがわかります。なお、2024年3月期において、総資産にしめる無形資産は18%、うちのれんは8%であり、同業他社と比べて大きな数値となっています。

図表 ノジマ総資産構成(同社決算資料より筆者作成)
図表 ノジマ総資産構成(同社決算資料より筆者作成)

 次に、経常利益をセグメント別に見る(下図参照)と、デジタル家電専門店事業、キャリアショップ事業、インターネット事業が中核を担い、金融事業・海外などの利益寄与はまだ少ない状況です。

図表 ノジマ経常利益構成(同社決算資料より筆者作成)
図表 ノジマ経常利益構成(同社決算資料より筆者作成)

 しかし、減価償却前・のれん償却前の利益であるEBITDAをセグメント別にみる(下図参照)と、事業ごとに満遍なく現金を生んでいることがわかります。投資額に対するリターンという点ではもう少し推移を見なければなりませんが、これまでのところ総じて言えば、投資先をうまく生かしているように見受けられます。

図表 ノジマEBITDA(同社決算資料より筆者作成)
図表 ノジマEBITDA(同社決算資料より筆者作成)

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記事執筆者

都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。

米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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