イオンの事業再編が大詰めに!DgS参戦で複雑化する、食品スーパーの2023流通相関図
食品スーパー(SM)の合従連衡が止まらない。大手から中堅、ローカルSMまで、資本関係や業務提携が複雑に絡まり合い、勢力図は刻々と変化している。近年はドラッグストア(DgS)も再編に参戦しており、DgS企業によるSM買収も珍しくなくなった。かねてより寡占化率の低さを指摘されてきた日本のSM業界だが、再編は着実に進みつつある。
近年のSM再編を主導してきたのがイオン(千葉県)だ。ここ数年進められてきたエリア事業会社の再編は、24年3月に予定されるマックスバリュ西日本(広島県)とフジ(愛媛県)の2社合併による統合新会社の設立を残すのみで、18年10月にぶち上げた「スーパーマーケット改革」はほぼ完了した。
直近1年間は大きなM&A(合併・買収)は見られなかったものの、1つ気になるのが、イオンが22年7月、中四国を中心にSMを展開するハローズ(岡山県)の株式8.51%を取得したというニュースだ。イオングループのマックスバリュ西日本とオリックスが保有していた株式をイオンが譲受し、ハローズの大株主となった。イオンはハローズ株取得の目的を明らかにしていないが、中四国エリアの再編が大詰めを迎えているだけに、その後の動向が注視される。
“関スパ争奪戦”で注目を集めたエイチ・ツー・オー リテイリング(大阪府:以下、H2O)もSM事業の再編を進めている。22年2月に新設された中間持ち株会社の関西フードマーケット(兵庫県)が傘下に抱えるイズミヤ(大阪府)と阪急オアシス(同)を23年4月に経営統合。阪急オアシスがイズミヤを吸収合併し、イズミヤ・阪急オアシス(同)に商号変更した。
他方、H2Oと争奪戦を繰り広げたオーケー(神奈川県)は22年10月、24年前半をめどに大阪府東大阪市に新規出店することを発表した。争奪戦に敗れたあとも関西エリアへの出店に意欲を見せていたオーケー。この発表により関西進出は現実のものとなったが、東大阪市の店舗が「関西1号店」になるかどうかは未定としている。自力出店と並行して関西小売のM&Aはあるのか。こちらも注目だ
リージョナルでも着々と進む再編
リージョナルチェーンで
流通相関図2023 の新着記事
-
2023/04/14
規模拡大は利益率向上につながるか?食品スーパーのM&A 戦略とその効果を徹底検証! -
2023/04/14
初掲載!小売の新たな連携の形、「共創」アライアンス軸で見る流通相関図 -
2023/04/14
稼ぐ力落ちるドラッグストア!気鋭のアナリストが見通すコロナ後の流通勢力図とは -
2023/04/14
市場拡大、プレイヤー乱立、ネットスーパー・生鮮デリバリー軸の流通相関図2023 -
2023/04/13
デジマにリテールメディア、メディア運営!大手食品卸のDXが加速する理由とM&Aの行方 -
2023/04/13
異業種間M&Aが活発化!家電+αの領域を攻める家電量販店相関図2023
この特集の一覧はこちら [16記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-18レシートは語る第15回 まもなく関西進出のオーケー、データでわかる競争力と成功のカギ
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-12価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-11-08店舗網とM&Aの歴史が丸わかり!最新ロピア勢力図MAP!
- 2024-11-18既存店の数字が良い企業は実践!競合スーパーが進出しても影響を受けない方法
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-13繁盛店は80億円!ロピア、強烈な販売力支える「100%現場主義」の正体とは