ヤオコー旗艦店の至近距離に出店!ベルク東大和立野店の巧みな戦い方を徹底解説

ベルク(埼玉県/原島一誠社長)が2022年11月2日、東京都東大和市に「ベルク東大和立野店」をオープンした。ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)の旗艦店から約1.5㎞という激戦区への出店だ。一体、どのような店づくりを実践しているのか。食品スーパー(SM)のコンサルティング実績多数のアイダスグループ代表鈴木國朗氏に解説してもらった。
※調査日2023年2月8日(文中の商品価格はすべて本体価格)
水曜日の午前中に賑わいを生む巧みな販促

●所在地: 東京都東大和市立野2-2-11
●営業時間: 9:00~24:00
●駐車場: 133台
「ベルク東大和立野店」は、多摩モノレール「上北台」駅から東へ約200mの住宅街に立地する。店舗周辺はSMが熾烈な競争を繰り広げる激戦区だ。最寄りの競合店として、店舗から南西すぐの場所で「コープみらいコープ上北台店」が営業する。店舗西側の約1.5㎞圏内には「オリンピック村山店」や「いなげやむさし村山店」が、そして南東約1.5㎞には「ヤオコー東大和店」と、その隣接地に「イトーヨーカドー東大和店」がある。

とりわけ「ヤオコー東大和店」は、ヤオコーの自社開発の近隣型ショッピングセンター(NSC)「ザ・マーケットプレイス東大和」の核店舗で、13年6月の開業当時、生鮮と総菜売場を一体的に展開する「生鮮・総菜一体型」モデルの店として業界でも大きな注目を集めた同社の旗艦店だ。
こうした激戦区かつヤオコーの旗艦店がすでに存在するエリアへの出店は、相当の勝算がなければできるものではない。ベルクはいかに戦っているのか、「ベルク東大和立野店」「ヤオコー東大和店」の双方を訪れ、比較、調査した。
まず、「ベルク東大和立野店」の建物構造は2階建てで、1階に133台分の駐車場が、2階にベルクの売場と、テナントの100円ショップ「ダイソー」が入る。ベルクの売場は、同社が標準とする売場面積約600坪のSMで、売場配置も主通路沿いに青果、精肉、鮮魚、総菜・ベーカリーが並ぶ、通常のベルクと同様だ。
調査で訪問したのは23年2月8日(水)の午前10時。平日にもかかわらずすでに多くの人で賑わっていた。
この集客力を生み出しているのが、ベルクの巧みな販促だ。
たとえば、多くの来店客を引き付けていたのが、黄・赤・黒の視認性の高いPOPで「スペシャルプライス」と訴求する特売商品だ。たとえば「国産若鶏もも肉」(1㎏・890円)や、冷凍の「チリ産銀鮭(甘口・養殖)」(1切・128円)、北海道産たまねぎ、同じゃがいも各1個・38円、よりどり3個99円など、売場の至るところに差し込んでいる。特売商品によっては、専用クレートのまま売場に並べており、各店共通の特売商品を、人手を省きながら細やかに差し込むノウハウが構築されている。
また、
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