ストア・オブ・ザ・イヤー2023を発表!今、行くべき店はこの店だ!
新型コロナウイルスの発生から3年余りが経過し、人々は徐々に日常生活を取り戻しつつある。しかし、水道光熱費をはじめとした各種コスト増や、値上げラッシュによる消費マインドの冷え込みなど、食品小売店は新たな変化の局面に対峙している。そうしたなか本特集では、果敢に新しい店づくりを実践している、ビジネスの参考にしたい「今、行くべき」店を挙げ、解説する。全2部構成で、パート1では「STORE OFTHE YEAR 2023」の入賞店舗を掲載、パート2では業界の注目テーマに沿って、その先端をいく19店を厳選し紹介する。
●選考基準
2022年1月1日から12月31日までに開業・リニューアルした店舗、商業集積、専門店で、インパクトがあり、これからの店舗開発に影響を与えるような斬新なコンセプトを持つものであること
●選考方法
本誌の定期購読者、小売企業広報担当者、有識者、その他の小売業関係者からFAX、インターネットにて投票を受け付けた(期間:2023年1月27日から2月14日)
●順位決定
読者、小売業関係者、有識者、本誌編集部などの投票により総合順位を決定した※写真・記事は、取材時のものをベースにしているため現状とは異なる場合があります
有力SMの渾身の旗艦店が多く開業
コロナ感染拡大は人々の買物行動を大きく変えた。ECが今まで以上に普及したほか、1度にまとめ買いする傾向も高まった。また、食品を強化するドラッグストアの台頭など、業態を超えた競争が激化している。
加えて直近では、ウクライナ情勢に端を発し水道光熱など各種コストが増加。節約志向が高まり、消費者の財布の紐はいっそう固くなっている。
こうしたなか食品小売業店が生き残っていくには、これまで以上に自社ならではの強みを発揮し、消費者が持つ多くの選択肢の中から“選ばれる店”になる必要がある。“選ばれる店”とは、時流に応じた品揃えや価格、店づくりを実践し、ほかにはない買物体験の提供によって、来店動機を創出できる店である。本特集では、そうした店づくりのヒントを提示したい。
まず、PART1では今年で第36回を迎えた本誌恒例企画「STORE OF THE YEAR」で入賞を果たした店舗と商業集積、専門店を発表し、評価を得た理由を解説していく。
今回、栄えある1位に輝いたのは、ライフコーポレーション(大阪府)の「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」だ。同社は近年、連続で上位3位入りを果たすもトップの場を譲り続けており、今回、待望のナンバーワンの座を射止めたかたちだ。東京・恵比寿にある複合施設「恵比寿ガーデンプレイス」に出店。同社の岩崎高治社長は「社運をかけるくらいの気持ちで(開店に)臨んだ」と述べており、新しいSMの創造に全社で挑戦した店である。とくに顧客層、商圏の拡大をめざして、ハイエンド層向けの高付加価値商品を多く投入しており、その提案力、商品力の高さが多くの業界関係者を驚かせた。
2位は、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都)傘下のカスミ(茨城県)の新業態「BLΛNDE(ブランデ)研究学園店」だ。22年1月に新業態1号店「つくば並木店」を出店しており、研究学園店はその2号店。今回の投票では、「フードスペシャリティストア」を掲げ、圧倒的な食の集積に挑んだ2号店が票を集めた。
3位入賞は、サミット(東京都)の「サミットストア世田谷船橋店」だ。同店は、22年度を最終年度とする3カ年中期経営計画「GOGREEN 2022」を具現化したと位置づける店舗。サステナビリティを経営戦略に取り入れ、それを店づくりにも徹底的に落とし込んだ点が先進的だとして高い評価を得た。
ほかにも10位以内では、商品政策(MD)の完成度の高さが注目された店として、4位に「ヤオコー八王子鑓水(やりみず)店」、5位に「原信古正寺店」が入賞。また節約志向が高まるなか消費者に支持される店づくりを実践しているとして、7位の「生鮮市場TOPビバモールさいたま新都心店」や、9位の「ビッグ・エー葛飾南水元店」などがランクインを果たしている。
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