オーケー代表取締役社長 二宮 涼太郎
「高品質・EDLP」を追求する 東京都23区内への出店をさらに加速!
──以前から冷凍食品の販売にも力を入れています。
二宮 冷凍食品は簡便性や保全性が高く、お客さまにとっては時短ニーズに対応し、まとめて買い置きもできる便利な商品です。われわれにとっては比較的ロスを抑えることができるため、そのぶん低価格を実現できます。今後、売場を拡大しさらに販売を強化していく方針です。
品揃えを強化しているのが、冷凍の総菜です。今年1月には宅配食サービス「わんまいる」を運営するファミリーネットワークシステムズ(大阪府/堀田茂社長)と業務提携し、冷凍総菜セット「健幸ディナー」(5食入・税抜3580円)の取り扱いを40店舗でスタートしました。味がよいことはもちろん、調理過程において合成保存料や合成着色料を使用せず、管理栄養士の監修により栄養バランスも考慮された商品です。なかなか買物に行けない高齢者や、有職女性、出産前後の女性などにとって利便性の高い商品だと考えています。ファミリーネットワークシステムズさんの冷凍食品開発のノウハウを学ばせてもらいながら冷凍総菜のカテゴリーを育成していきます。
年間約10店を新規出店、小型店モデルを開発
──近年、出店スピードを加速しています。
二宮 18年3月期の新規出店数は計11店となりました。3月13日には11店目となる「田園調布店」(東京都大田区)を開店する予定です。
当社はドミナントを深耕し物流効率化を図るため、国道16号線内側への出店を基本戦略としてきました。そして数年前から東京都23区内への出店を強化する方針を掲げています。今年1月に東京都台東区に開店した「橋場店」は、売場面積836.7坪と大型で首都圏における旗艦店と位置づけています。
都心部での店舗数拡大に当たり、開発を進めているのが小型店です。17年2月に開店した「湘南台店」(神奈川県藤沢市)を皮切りに、「平野店」(東京都江東区)、「新杉田店」(横浜区横浜市)、「曳舟店」(東京都墨田区)、「お台場店」(東京都港区)と、ここ1年で売場面積110~150坪ほどの小型店を計5店出しました。どの店舗も開店後の売上は順調に伸びており、新たな店舗モデルを構築できたと考えています。
オーケーの店舗は、売場面積100坪ほどの小型店から1000坪超の大型店まであり、大きさはさまざまです。チェーンストアの経営では徹底的に標準化を図る戦略もありますが、当社は柔軟に対応していきます。
今後の出店戦略では小型店も選択肢の1つに入れており、19年3月期も1店開店を計画しています。
──今後の出店戦略を教えてください。
二宮 引き続き、人口密度の高い東京都23区内への出店を強化します。出店余地は十分にあるでしょう。
19年3月期も前期同様に10店ほどの新規出店を予定しています。そこに居抜き出店が数店加わるほか、冷ケースやゴンドラを入れ替える改装も24店ほど計画中です。
オーケーは店舗不動産を所有することが信頼の裏付けや長期的なコスト競争力にもつながるという方針のもと、可能な限り自社で所有するかたちでの出店を続けてきました。
一方、最近では他社のSMが退店した物件に出店し、好業績を出すことができている成功事例も生まれているため、当社の条件に見合う物件があれば居抜き出店も積極的に進めたいと考えています。
──出店を強化する東京都23区内はSMの激戦区です。どのように他社と差別化を図っていきますか。
二宮 「高品質・EDLP」を徹底することです。当社は「熱烈なオーケーファン」の輪を広げたいと考えています。すでに多くのお客さまがファンになってくださっているのは「高品質・EDLP」に期待と信頼を寄せていただいているからでしょう。
とくに支持を得ているのはグロサリーです。当社のグロサリーの売上高構成比は生鮮食品(総菜含む)よりも高い割合を占めています。グロサリーは他社と比較して低価格であることが伝わりやすく、割安感を訴求できる商品です。
私が初めてオーケーの店舗を訪れたとき、その安さに驚き多くの商品を購入したことを覚えています。割安感は高揚感を与えることにつながります。「高品質・EDLP」を追求することで買物の楽しさをお客さまに提供していきたいと考えています。