物流センター新設で出店スピード加速!2020年日本国内50店態勢へ=コストコ ケン・テリオ

聞き手:下田 健司
フードマーケットクリエイティブ:太田 美和子
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Eコマースは数年かけて準備

──コストコは、米国、カナダですでにEコマース(電子商取引)を手掛け、12年10月からは英国でも開始しました。日本でのEコマースの展開について教えてください。

テリオ 米国とカナダのEコマース事業はとても好調です。開始約1年の英国以外にも、近々いくつかの国でEコマース事業の始動が予定されています。将来的にはコストコが出店するすべての国でEコマース事業を行うことになるでしょう。

 日本では、少しずつ段階を踏んで進めていきたいと考えています。Eコマースを始めるには、Eコマース専用のバイヤーとして、さらに60人から200人を雇用せねばなりません。するとオフィスも必要になりますし人材育成もしなければなりません。ですから、今から数年後といった時間軸で準備を進めていくことになるでしょう。

 米国のコストコのウェブサイトをご覧いただければわかりますが、EコマースはSKU数が倉庫店よりも多く、倉庫店で扱っている日用品などは販売していません。しかも高額商品をより多く取り扱っています。Eコマースでの売れ行きがよい商品を倉庫店に導入するといった実験的な役割もEコマース事業は担っています。

──最後に長期経営計画についてお聞かせください。

テリオ 当社は3年、5年、10年、20年と、常に目標設定をしています。現在の目標は、2020年までに日本国内に50の倉庫店を開業することです。日本での地盤固めの第1ステップから、第2ステップへと歩を進め、積極的な出店を行っていく計画です。

 この10ヵ月の間に5つの倉庫店を出店しました。現在建設中の倉庫店がさらに2つあり、大阪府和泉市と茨城県ひたちなか市に14年度中にオープンする予定です。

 この2つの倉庫店の開業後、半年ほどは出店スピードを緩めるかも知れません。しっかりと人材を育成したうえで出店したいからです。

 当社の人材教育は時間がかかります。それは当社のコンセプトが他社と異なるからです。コストコは、世界中の従業員の正社員比率を52~54%にすることを公約しています。そして、彼らを教育し、長期雇用して、彼らとともに生産性を向上させることをめざしています。そのため、人材には業界の平均よりも高い賃金を支払い、充実した福利厚生を提供しているのです。

 1つの倉庫店をオープンするには、400人から500人の従業員が必要です。そのうち、最大30人がマネジャーです。近年、当社の事業が地域経済に好影響を与えることを理解する地方自治体が増え、多くのお声掛けをいただくようになりました。

 まずはより多くの人材を雇用し育成します。そして、体制が整えば、年間4~6の倉庫店を出店していきたいと考えています。営業面では、調剤薬局、メガネ、補聴器など、新たな商品やサービスの充実にも力を入れていきます。

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