サミット、紀ノ國屋が導入!ドイツ発農業ベンチャー 「インファーム」の野菜が想像以上に高品質だった
店頭での栽培・収穫が
プレゼン効果を発揮
インファームの取り組みでもう1つ特筆したいのは、環境に優しい商品という付加価値が、消費者に伝わりやすいその販売方法だ。
店頭で野菜を栽培・収穫するというユニークな取り組みは、「インファームの理念を伝えるビジュアル・マーチャンダイジングにもつながる」とインファーム日本法人マネージング・ディレクターの平石郁生氏は説明する。
実際に取材時は店頭の珍しいファーミングユニットに多くの来店客が足を寄せ、担当者にその取り組みについて質問していた。これは小売側にとっては、自店の環境についての取り組みを来店者に知ってもらうことにつながるだろう。
インファームは世界15都市で事業を展開する目標を掲げており、そのなかには東京以外に大阪も含まれる。今後、提携企業を順次広げたい考えで、飲食店への導入の話も進んでいるという。平石氏は「まずはこのインファームの野菜の高い品質を知ってもらうことが重要。著名なシェフとのコラボレーション企画などにも挑戦し、認知度を高めていきたい」と話す。
今回取材したサミットは新・中期経営計画「GO GREEN2022」で、「事業を通じて環境保護などの地域社会にも貢献できる存在をめざす」という方針を掲げており、それがインファームのビジョンと合致していることから導入を決めた。
環境保護や持続可能性への関心が高まるなか、サミットのように事業方針にそれらのテーマを加える小売業は今度さらに増えてくることが想定される。そうしたなかインファームが日本の食品スーパー企業でも広がりを見せるか注目だ。