チラシと店頭販促で振り返る! ヨーク、東急ストア、文化堂の年末商戦
新型コロナウイルスの感染拡大の中で迎えた2020年の年末。外出自粛に伴う巣ごもり消費の拡大と、消費者の行動が急激に変化する中で、食品スーパー各社は、最大の“稼ぎ時”にどのようなプロモーションを展開していたのだろうか。2020年のクリスマスシーズンのチラシと店頭販促から振り返っていく。
前回はライフコーポレーション(大阪府)、サミット(東京都)、ダイエー(同)と大手3チェーンのクリスマス販促を振り返った。今回は、ヨーク、文化堂、東急ストア(いずれも東京都)のチラシ・店頭販促を見ていきたい。
ヨーク
付加価値型の「新規MD」を導入中
まずはヨーク。2020年6月、ヨークマートから商号変更した同社は、セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)の「首都圏食品戦略」の推進役でもある。今後の新店出店や改装の際に、必ず導入していくとしているのが、「新規MD」だ。
「来店動機の創出につなげるべく、店頭で扱う素材を使って店内加工する付加価値型の商品群」(セブン&アイ首脳)とのことで、青果部門では「ハンドメイドサラダ&カットフルーツ」や「店内手づくりフルーツデザート」、鮮魚部門では「素材にこだわったお魚屋さんのお総菜」といったコーナーを導入中だ。
そんな同社がクリスマスの販促テーマとして掲げたキャッチが「ちょっと贅沢、今年はみんなで、おうちでクリスマス」である。
メーンとなる商材はチキン。精肉コーナーで扱うヨークオリジナル商品「九州産ローストレッグ」(1本498円)、総菜コーナーの「国産鶏もも焼き」(1本598円)、「ハーブ香る!プレミアムフライドチキン」(2個1パック350円)などを販売していた。
さまざまなパエリアを提案!
パエリアは食品スーパー各社がクリスマス販促の重点商品としてチラシ掲載しており、ヨークではこの冬、3パターンの商品を訴求している。
ひとつがミールキットの「海鮮パエリアキット」、「チキンのパエリアキット」だ。生鮮コーナーで取り扱う新鮮な素材だけでなく、お米や油までセットされ、コンロとフライパンがあれば、パエリアづくりが楽しめる。魚介だけを組み合わせた「パエリア、ブイヤベース用魚介セット」(1280円)など、「アルゼンチン赤えび」や「活あさり」といった魚介類に、ブロッコリーやパプリカなどの食材をセットにし、ホットプレートで調理可能なパエリアを提案するコーナーもある。
ステーキは「国内産黒毛モモ ステーキ用」(100g580円)、「豪州産牛肉ヒレステーキ用」(100g398円)、「ニュージーランド産ラム骨付きロースステーキ用」(100g380円)など、免疫力アップに役立つとされる赤身肉を前面に打ち出していた。
デザートも新規MDに考えに沿った商品を導入しており、売場で扱う新鮮なイチゴを使った「いちごのタルト」(1980円)を店内製造で提供する。当初は、採算ベースに乗るデザートづくりは課題が多かったようだが、ようやく利益を見込めるようになったという。