9月18日、「DCMホールディングス(HD)が島忠に対し株式公開買い付け(TOB)の検討を始めた」とNHKおよび主要全国紙が報道したことを受け、DCMHDは、「当社は常々今後の成長戦略として、株式会社島忠も含め、他社との提携・様々なM&Aの可能性を検討しているが、いまだ決定しているものはない」とのコメントを発表した。
ホームセンター業界では6月9日、アークランドサカモトがLIXILビバを完全子会社化することを発表し、7月21日にTOBが完了している。両社の経営統合で3000億円規模のHCグループが誕生し、今後、業界内でドラスティックな再編が進むだろうという観測が行われたばかり。
DCMHDは、2019年2月期の営業収益が4373億円となり、4410億円となったカインズに業界トップの座を受け渡していた。島忠の18年8月期の営業収益は1463億円。仮に両社が経営統合すると、6000億円規模と、圧倒的な業界トップのHCグループが誕生する。さらにグループ傘下には、売上高が1076億円で、DCMHDが20%弱の株式を持つケーヨーもあり、同社を含めると7000億円規模となる。
今後は、ビーバートザン、建デポ、ドイト(HC事業)を傘下に収めるなど、この数年M&Aに積極的なコーナン商事や、2000年代にキッコリー、ミスタージョン、ヤマキを吸収合併して以降は業界再編に積極的にかかわっていないコメリ、また単独で業界トップに上りつめたカインズなど、大手HCがどう動くのか注目される。