7月よりレジ袋有料化 お客も会社も地球も、3方良しのビッグ・エーの取り組み
レジ袋有料歴40年以上、ビッグ・エーの新施策
そうしたなか、1979年にダイエー子会社として創業した時より、レジ袋の有料化を進めてきた小売業がある。現在はイオン系列となったハードディスカウントストア、ビッグ・エー(東京都)だ。標準売場面積は100坪で、20年2月末時点で首都圏に230店舗展開する 。
レジ袋を有料化することで、その分のコストも売価に反映させるとともに、環境負荷低減も狙ってきたビッグ・エー。その同社は6月8日から、英国テスコの事例と環境省の推奨するプラスチック・スマート活動を掛け合わせた取り組みを行なっている。
それが、6月8日からプラスチックごみの削減を目的に販売開始した、再生可能リサイクル原料のオリジナルバック「ビッグ・エーサスティナバッグ」だ。本体価格99円で、20年12月31日までの販売期間中に破損した場合は何度でも回収交換するという斬新な取り組みだ。
販売枚数は6月12日までのわずか5日間ですでに1000枚を越え、12月31日までに6万枚の販売を計画しているとビッグ・エーの三浦弘社長は語る。
オリジナルバッグはフラワーとフルーツの2種類で、いずれも買い物が楽しくなるようなデザインだ。お客は一度購入すれば、期間中何度破損しても新しいバッグと交換できるが、もちろん簡単に壊れる代物ではないので、繰り返し何度も利用できる。
レジ袋有料化は、ややもすると「誰かが損をする(まずはお客、そして有料化を嫌がるお客が離れて、お店も)」制度と考えられてきた。そうしたなかでビッグ・エーの取り組みは、会社も地域のお客も地球、みんなが嬉しい仕組みだと言えるだろう。
かつて、西友の執行役CSR推進室SVPだった小林珠江さん(現・松井オフィス副社長)は「レジ袋有料化はお客さまにある種の罰を与えるようなもの。だから(当時の)西友は、レジ袋を辞退したお客さまに感謝の気持ちを込め、“割引”という形でお返ししていた」と語っていたことが思い出される。「お客さまのために」を深く考える意味でも、今回のレジ袋有料化はいい機会となるのではないか。