ドミノピザ「持ち帰り1枚から半額」で単身者も狙う! 店舗数を1.4倍に増やす戦略とは
小商圏化し、店舗数を増やす狙いと戦略
同社では5月30日から6月1日にかけて「外出自粛期間中のデリバリー&テイクアウトピザ需要」に関する調査を男女1万人を対象に実施した。
デリバリー、テイクアウトが「増えた」と「どちらかといえば増えた」人の合計が42.1%に上り、自粛期間中にデリバリー、テイクアウトを利用したことがある男女650人に「デリバリー・テイクアウトピザの利用頻度」を聞いた設問では「利用頻度が増えた」との回答が49.0%に上った。
ただ、このテイクアウトについては単身者のニーズに応えられているのかという課題も浮き彫りにした。デリバリー、テイクアウトピザの利用頻度が増えたと回答した人を世帯別にみると「複身世帯」では50.2%存在したのに、「単身世帯」では42.3%にとどまったためだ。
関連して「デリバリー・テイクアウトピザを1人または少人数で利用する悩み・不満点」を聞いた設問では63.4%が「値段が高い」、30.2%が「量が多い」と回答した。
こうした不満についても持ち帰り半額ならば「ファミリーでも一人など少人数世帯にとってもベストバリューで楽しめる」(トッド・ライリー執行役員)と話している。
キリムニックCEOは「キッチンと顧客の間を縮める」として今後は、さらにデリバリー時間の短縮、店舗数を増やして1店あたりの商圏を小商圏化する方針を明らかにした。
具体的には19年7月に「23.07分」だったデリバリー時間を20年5月には19.7分」に短縮したが、さらに「クリスマスまでに15分で届けたい」という。このため1店舗あたりの商圏人口を少なく設定するために現在669店を1000店にまで引き上げたい考えだ。
ピザを製造するメーカーなどで構成するピザ協議会によると2018年のピザ市場は前年比1.2%増の2676億円で過去最高を更新した。
アフターコロナの新日常は引き続き在宅勤務やテレワークの増加でデリバリー、テイクアウトのニーズは強いとみられている。
ただ、今後は一段とこうした市場に照準を合わせテイクアウトやデリバリーを実施する外食店は増えるとみられるし食品スーパーでも出来立てピザを導入するチェーンが増えており、出来立てピザをめぐる競争の激化は必至。ドミノ・ピザ・ジャパンではアフターコロナのテイクアウトピザで先鞭をつけ、ピザ専門店ナンバーワンの地位を固める。