[東京 27日 ロイター] – キリンホールディングスが27日開催した定時株主総会で、同社株約2%を保有する英投資会社インディペンデント・フランチャイズ・パートナーズ(IFP)が行っていた株主提案を否決した。
IFPは、独立取締役の候補者2人の推薦を軸に、医薬・健康事業の売却で最大6000億円の自己株取得を実施すること、取締役のインセンティブ報酬の比重を増やすことを提案していたが、いずれも否決された。
取締役候補2人は、それぞれ、35%、20%の賛成比率だった。また、自社株取得の提案については、8%の賛成にとどまった。
一方、5人の社内取締役に対し、社外取締役を7人に増やすなどのキリンHDの役員案などを可決した。
ビール事業に集中するべきとしていたIFPに対し、キリンHDは成長戦略として、医薬・健康事業への多角化を進めている。磯崎功典社長は「発酵・バイオの技術を活用して、既存事業とのシナジーを創出しながら、ヘルスサイエンス事業を拡大し、成長させていきたい。ビール事業、医薬事業に次ぐ未来の経営を育てる第3の柱として、組織能力、経営資源を最大限投入して育てていく」と述べた。