健康志向の女性に大ヒット! ダイヤモンドダイニングの「和カフェ戦略」

吉牟田祐司

どの小鉢を選んでもかならず野菜が取れる

至福のごはん春バージョン
至福のごはん春バージョン。健康意識の高い人からメニューのカロリーや栄養素を知りたいという問い合わせが多い

「まずは玄米と黒米の組み合わせ。そこにもち米も入り、しっかり食感を楽しめる。もう1つが出汁。カツオとコンブからきちんと引いており、しっかり香りがする。そしてほうじ茶。京都の茶園から直接仕入れた茶葉を、お湯の中で踊らせて淹れているため、香りが高い」(

小野寺氏)

 実際に食べた人からは、米のブレンド比率の問い合わせ、出汁の味に驚嘆した声が多く寄せられているという。さらにもう1つのポイントとして「小鉢は何を選んでも野菜が取れるようになっている」と明かす。たとえばハンバーグにもブロッコリーが混ぜてあるなど、健康を考えた工夫が施されているのだ。

 このメニューが提供されているのは「24/7 café apartment 有楽町」のほか、同じくダイヤモンドダイニング運営で、ルミネ池袋店に入る「chano-ma 池袋」、JR大宮駅に直結したルミネ大宮店ルミネ2の「一汁一菜ごはん 御御御」。有楽町と池袋の客層はほぼ同じで、ビジネスランチでの利用も客単価は高め。大宮では週1回程度来店する日常使いのリピーターが多いため、小鉢の内容を多少変えて少しリーズナブルにしているという。

 どの店舗も行列ができる繁盛店だが、人気に火が点いたのは2017年頃。大宮の同じ場所で2007年から運営していた店舗は洋食中心で営業していたものの売上が低迷、2017年9月に業態転換したところ、どんどん客足が増えていった。料理研究家の土井善晴氏がベストセラーとなった『一汁一菜でよいという提案』を出版したのが2016年。その影響もメニュー設計の背景にあるそうだ。「私たちとしても、栄養や現代人の生活習慣の課題に対してアプローチしたいと考えた」と小野寺氏は明かす。

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