「ルノワールの妻」がモチーフ。銀座ルノアールのカフェ新業態、オープン1年の手応えは

吉牟田祐司
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首都圏を中心に喫茶店事業を展開する銀座ルノアール(東京都/岡崎裕成社長)。「喫茶室ルノアール」をはじめ、さまざまなコンセプトの店舗を運営する同社の最新業態が、京王線府中駅の駅ビルにある「Aline café et sucreries(アリーヌ カフェ エ シュクルリ)」だ。オープンから丸1年が経過したタイミングで、現場を切り盛りする店長の髙橋圭氏に開店後の手応えを聞いた。

新たな顧客層の獲得をねらって郊外に出店

Aline cafe et sucreries(アリーヌ カフェ エ シュクルリ)
アリーヌ カフェ エ シュクルリの店舗外観

 「名画に恥じぬ喫茶室」をコンセプトに、フランスの印象派画家・ルノワールの絵画のような洗練された雰囲気と、ゆったりした時間を過ごせる居心地のよい空間を提供することをめざして名付けられた「喫茶室ルノアール」がオープンしたのは1964年。場所は東京都中央区日本橋だった。

 以降、喫茶業で初めてPOSシステムを導入したほか、いち早くプリベイドカードを発行するなど、先進的な取り組みを進めつつ、さまざまな業態を開発してきた。昭和の喫茶店の代名詞といわれる「喫茶室ルノアール」をメーンブランドに、「Cafeルノアール」「Cafe Renoir」「ミヤマ珈琲」「Cafe Miyama」「NEW YORKER’S Cafe」とコンセプトの異なる複数の業態を展開する。

 そして、2024年4月にオープンしたもっとも新しいブランドが「アリーヌ カフェ エ シュクルリ」だ。フルサービスの店舗で、ブランド開発のモチーフとしたのは、ルノワールの絵画制作を献身的に支えた最愛の妻・アリーヌ。都心部のビジネス街を中心に“都心のオアシス”という位置づけで展開する「喫茶室ルノアール」に対して、妻・アリーヌの名を冠して郊外に出店した「アリーヌ カフェ エ シュクルリ」は、ルノワールに寄り添い、家庭的なもてなしを提供するイメージだという。

 「府中駅に直結する駅ビルの商業施設をリニューアルするにあたり、京王電鉄さまから声を掛けていただいた。今後は郊外の駅ビルや百貨店など商業施設への出店を視野に入れており、これまでとは異なる新しい層のお客さまを獲得するために新しい業態を立ち上げることになった」と髙橋氏は経緯を説明する。

 銀座ルノアールが展開している業態の中で、これまで郊外への出店が多かったブランドが「ミヤマ珈琲」で、現在4店舗を出店しているが、家族での利用が多い。一方、「アリーヌ カフェ エ シュクルリ」では、女性が友人とゆったりと贅沢なひとときを過ごすシーンを想定したという。

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