あなたはいくつ備える?AI時代に生き残るビジネスパーソン3つの条件とは
今回は2024年の個人的な振り返りと2025年に行うことについて書いてみたい。その内容は、そのまま、AI時代で激変する労働市場において「生き残るビジネスパーソンの条件」にもなっているので、ぜひ読んでもらいたい。
特殊なスキル持ち、プロじゃないと生き残れない!
2024年は、私にとって色々な意味で変化の激しい年だった。数年前に患った大病を本当の意味で克服し、「人生の優先順位」を変えた年のはずだった。遺書を書くまで追い詰められながら取り戻した「私の命」を「家族と健康のために使う」と誓って早5年。結局は毎年、大きなターンアラウンド案件が私の元に指名で舞い込んできてしまう。凄惨な現場で苦しむ従業員の姿を見るたびに、「河合さん以外にお願いできる人はいない」と説得されるたびに、結局はこの戦いの最前線に戻ってしまうのである。
あれほど強く誓いながら戻ってしまう自分に対して私は、「つくづくバカな人間だ」と思ってしまう。
2024年も、朝から晩までハンズオンで再生を支援し、月曜から週末まで働きつづけた。最初と最後にしか顔をださないコンサルタントが今増えているが、私から言わせれば、それはコンサルタントではないと思う。そういう仕事のやり方を私はしたことがないし、60になっても、70歳になっても変わらないと思う。その多忙の合間を縫ってのテレビ出演も23年、24年と相次いだ。それも24年はNHKから世界に向けて英語で3時間語る番組への出演だ。
さてこのようにあわただしく日々を過ごす私がいま強く思っていることが、「ファーム」と「オーガニゼーション」の違いと、AIの進展に伴う「働き続けられる人の条件」だ。
「ファーム」は個人事業主の集まりで、基本的に個人が自分の力で仕事をし、自分の能力で付加価値を与える集団である。だから、パートナーシップといって、パートナーは共同経営者として一人ずつ出資金をだしてファームを運営する。
つまりファームで働く人は、「自分の名前」で仕事ができる人の集団なのだ。対してオーガニゼーションは、いわゆるサラリーマンの集まり。会社の名前で仕事がきて従業員に仕事を渡す。給与は保証され、仕事も保証される。
これからの時代、サラリーマンはAI 開発技術のような特殊なスキルをもっていないかぎり、生きてゆくのはどんどん難しくなると私は思う。なぜなら、AIやロボティクスという技術が、定型処理や反復処理などの従来の仕事に取って代わるからだ。
よほど「皆がハッとする」切り口から物事を考えられる能力や、常人とは異なる経験をしている、あるいはある種の分野の一流人材でなければ、基本的には働く場はなくなってゆく。そんな時代がもうここまで来ているのである。
そうしたなかで私の残されたミッションは、私が関わる企業や友人、そして、クライアント達を「プロ集団」にすることだ。先述の通り、これからの時代は「プロ」しか生きてゆけないからだ。
プロとは、①個人の名前で仕事を行い、②個人に値段がついている人をいう。「XXX会社に勤めています」といって、相手を「ほ〜」と唸らせる時代はもはや終わったのだ。「私はもう40歳を過ぎているから……」という言い訳も通用しないし、40歳を過ぎても学べることはたくさんある。余計なプライドを捨てれば、自分より一回りも二回り若い人の下で働くこともできるのだ。
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