食品小売業の2020年のマーチャンダイジングの3大メガキーワードとは!?

『ダイヤモンド・チェーンストア』編集部 松尾友幸
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「健康」に加え「持続可能性」が注目トレンドに

 また、「簡便・即食」に加えてすでに一定の需要がみられるトレンドとしては「健康」が挙げられる。日本政策金融公庫が19年7月に発表した「消費者動向調査:食の志向」によると、回答者のうち食事において重視する考えとして「健康志向」を選んだ割合は43.8%を記録し、第1位となっている。

 このように消費者の健康志向が高まるなか、すでに各社はそのニーズに対応した商品開発に着手している。アクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長)傘下でSMを運営する原信(同)とナルス(新潟県/森山仁社長)は、15年から開始した現代の消費者のニーズに対応した最新MD「ニューコンセプトⅡ+(ツープラス)」の一環で、以前から取り組んでいる独自商品「だし香るシリーズ」を強化。同シリーズは「減塩」の商品となっているが、そのことをセールスポイントとするのではなく、だしのうま味を十分に効かせることで味にこだわった商品となっていることをアピールしたことでヒットシリーズとなっている。

 また、原信・ナルスは「健康」に関する注目商品として「大豆ミート」をはじめとした代替肉を挙げている。

 衣料品や生活雑貨、食品などを取り扱う「無印良品」を展開する良品計画(東京都/松﨑曉社長)は19年9月、「糖質10g以下のお菓子」シリーズを発売。低糖質商品では珍しい30アイテムという種類の豊富さと、低糖質だからと言って妥協せず味のクオリティを高めたことが支持され、計画よりも大幅に売上を伸ばしている。

 「健康」に加え、「持続可能性(サステナビリティ)」も今後注目したいトレンドの1つだ。「ダイヤモンド・チェーンストア1月15日号」で実施した食品小売業のバイヤーを対象としたアンケートによると、今後ヒットする商品のキーワードとして「持続可能性(サステナビリティ)」が昨年より約18ポイントも値を伸ばしている。食品そのものだけではなくパッケージにおいても、容器をリサイクル可能にしたり、プラスチックを使用しないようにしたりするなど、環境に配慮した商品が今後消費者の注目を集めるようになるかもしれない。

ダイヤモンド・チェーンストア1月15日号では、特集「食品マーチャンダイジング2020」を実施。今特集では、有力企業8社の最新MD戦略をまとめている。各社の戦略を参考にすることで、今後のMDの方針を決める上でのヒントが見えてくるだろう。

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