ZOZOグループ入りわずか3年で上場!突然変異アパレル、yutoriは何が新しいのか?
yutoriのリスクは今後の急成長局面で顕在化する
ではyutoriのリスクはどこにあるのか?それはいずれ企業規模が拡大する際に訪れる、オペレーションの複雑化に伴う制御危機をどう乗り越えられるかだろう。
いくら、「伝統的な経営の教科書」が古くなり新しい芽がでないとはいえ、中には守るべき約束ごとは存在する。yutoriはグロース市場に上場したが、過去、私が支援したネットアパレル企業は上場後、手に入れた莫大な資金をすべて失ってしまったという経験がある。もっとうまく使えば、売上500億円、1000億円へと成長できたはずだった。
上場するということは、成長を株主と約束するということだ。したがって、一つのブランドが100億円にいかなくてもよい、というなら「50億円のブランドを2つ作れ」といわれるのが、上場企業である。
もちろん彼らはそれを志向しているのだが、一方でそんなことを繰り返していたら、社内のオペレーションはいっそう複雑化し、制御不能となるだろう。
オペレーション効率からいえば、ワンブランドを100億~200億円ぐらいにし、5~10のブランドで1000億円を狙うというのが、正しい経営のように見える。だが、その場合、社長の方針とコンフリクト(衝突)がでてくる可能性がある。こうした事例があちこちで出る前に、ときに邪魔な存在になるとはいえ、やはりビジネスのプロの参画が必要になるだろう。
いずれにせよ、日本企業の勢いがついてきた。yutoriが日本を代表する上場企業となり、海外から「ユニクロだけだ」といわれないようなブランドになってもらいたいと心から願う。
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プロフィール

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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