ワークマン代表取締役社長 小濱 英之 新しいワークマンをつくるのがミッション、ワークマンプラスを軌道に乗せる!

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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全ワークマンプラス店舗が計画以上で推移!

──現在、ワークマンプラスは21店舗を展開しています。これまでの実績はいかがでしょうか。また、出店する際は同時に、複数店舗を開けることが多いようですが、出店に対する現在の考え方を教えてください。

小濱 これまでの21店舗については計画を上回っています。ロードサイドの店舗については、100坪の店で年間売上高2億円を上回りそうな勢いです。それ以上に大きいのが周辺店舗への波及効果です。

 ワークマンプラスの出店に際してはエリア内で複数店舗を立ち上げるケースが多くなっていますが、同時に周辺の店舗でも、「話題のワークマンプラスと同じ商品を扱っています」と店頭やチラシで告知していますので、周辺10店舗くらいがそれまでの平均を上回る売上につながっています。地域全体で持ち上げていこうという策が当たっているようです。

 ただし、現在の出店パターンを今後も続けていくかはまだわかりません。いろいろなものを試して、適したものを探っていきます。

──ワークマンプラスは一般の方の利用が多いという印象です。従来、プロの職人を対象にしてきたワークマンの店舗への影響はいかがでしょうか。

小濱 新規にロードサイドに出店したワークマンプラスは、一般客には売場の70%、職人には90%が自分の売場に感じるようになっており、しかも売上は平均的な実績値をどちらも上回っています。そういう意味では、客層を広げたことがプラスに働いていると思います。

 しかし、女性客が増えて、「俺たちのワークマンではなくなってしまった」という声が少なからずあるのも事実です。われわれのメーンのお客さんは「職人」であることに変わりはありませんから、職人たちの客離れが起こらないように、売上が伸びているからといっても、データ分析は欠かしません。

──FC店の店長からのワークマンプラスに対する反応はいかがですか。

小濱 改装店では売上が大きく伸びているわけですが、「今までと同じ立地で、同じ仕事をしているのに、想像以上に売上が伸びている」という印象が強いらしく、「どこまでこの勢いが続くのか不安」と口にされる店長もいます。ワークマンプラスは、そもそもが既存店強化の策として始めたものなので、商品不足にならないように生産確保を図るのと、本部では「先行投資としてパートさんの募集をしてください」という話をしています。

デカトロンとは競合しない

──店舗オペレーションの変更も必要になるかと思いますが、いかがですか。

小濱 新しいワークマンをつくる、というのが私のミッションですから、ワークマンプラスを軌道に乗せ、オペレーションの標準化を進めていきたい。当面は、限られたスペースにどれだけ圧縮陳列をするか、商品在庫をストックするか、を考えていきます。

 商品については、行き届いた品質管理のもと、いい商品を愚直に、慌てることなく開発し続けていきます。

──2019年3月に、世界最大のスポーツ用品のSPA(製造小売)仏デカトロン(DECATHLON)が、日本1号店をオープンさせました。デカトロンとの競合についてどう考えますか?

小濱 現在の見立てでは「低価格、高機能」という点では同じ土俵にあるのかもしれませんが、デカトロンさんはより上級者向け、われわれはワークとしての作業性が高い(職人が認めた品質)という違いがあります。SNSでの一般の方たちの反応を見ても、競合という見方をされていないようです。

──最後に、今後の出店戦略について。

小濱 今期の新規出店はすべてワークマンプラスです。期中に、ショッピングセンター店舗を6店、ロードサイド店舗で35店(スクラップ&ビルド5店含む)、全面改装店24店の出店を計画しており、20年3月末で77店舗を予定しています。このほか、コストをかけずに、店内にパネルを貼ったりしてワークマンプラスの雰囲気を演出する小改装も進めていきます。

ワークマン
写真(左)●ワークマンプラス業態はららぽーと立川立飛店を1号店に大躍進を遂げ、現在では21店舗に到達
写真(右下)●ワークマンは2019年春夏新製品で、女性向け製品ライン、一般向け空調ウェア、冷感トップス、カーゴパンツの強化などを行っている

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