絶好調ニトリは中国をどのように攻めるのか?
全社を挙げて中国を成功させる!
商品だけでなく、組織も強化する。
まず18年12月に、重要市場としている中国での成長に必要な体制づくりを全社を挙げて取り組むべく、「日中合同グローバル事業強化プロジェクト」立ち上げた。現在、課題抽出のフェーズが終わり、改善策の実行、ノウハウづくりのフェーズに移行したという。
大きな課題として、店舗の魅力、売上対策、商品の供給体制、人材育成を掲げている。これらの課題を解決し、中国事業を成功させ、ニトリのノウハウを明文化することで、さらなるグローバル化を推進する。
また、似鳥会長は「現地に任せすぎた」という。人材面では、「中国に行きたい人に行かせる」のではなく、経営陣から見て「腕利きの適正な能力を持っている人に行ってもらう」ようにする。
元・日産副社長を海外事業責任者に起用
今、中国事業成功のカギを握るのが、日産自動車(神奈川県/西川廣人社長)の副社長を務めた、松元史明氏だ。18年9月にニトリホールディングス副社長として、グループ入りし、海外事業の責任者を務める。
「松元さんはヨーロッパ、アジアなど海外現場でたたき上げの人。本部のエリートというより、海外支店が長く、言葉も3、4カ国後話せる。そういう人が中心になって海外事業を変えていく」と似鳥会長の松元氏への期待も高い。
「中国事業は将来を期待していただきたい。今年は踊り場で、来年からまた拡大していきたい。十分可能性があると思っている。急がず、コツコツやっていく。」という似鳥会長。中国では、今期は5店舗出店し、4店舗退店し、1店舗増に止まるが、来期以降、来期以降拡大に転じる。
18年に国内500店舗を突破したニトリ。国内市場が飽和化してこれまでのような成長維持が難しくなる前に、中国事業に先行投資し、新しいステージへと向かう。