中計スタート「新店のほか既存店活性化にも積極投資する」=ユニー前村哲路 社長
──ユニーは高齢社会には、どう向き合っていきますか?
前村 毎月15日の年金支給日に、買物特典を付与するシニアカードを発行しています。現在、関東、北陸に加え静岡エリアで展開しているネットスーパー事業の一環として、高齢者が多い地域では、インターネットのほか電話やFAXでも注文を受けつけています。ほかにも、子会社のサンリフォーム(愛知県/坂野達哉社長)が掃除や家事全般の手伝いをするサービス「家事タスカル」をスタートさせるなど、徐々にサービスを広げています。
さらに、高齢者や単身者へお弁当などを配達する「ミールサービス」も検討します。当社には、独自の店舗ネットワークがあります。中京圏だけを見ても、サークルKサンクスとユニーを合わせて1800ほどの店舗があります。これらは食事を、各家庭まで届ける拠点にもなり得ます。
もう1つは、ネット販売のWebサイトを立ち上げることも検討しています。GMS(総合スーパー)やモール、CVSなどのリアル店舗と、バーチャルの世界を融合させられるのがユニーグループの強みだと思います。それらを活用し、高齢化など変容する国内マーケットにお役立ちのできるサービスを提供できればと考えています。
中国は3号店まで決定
──国内のマーケットは人口減少で縮小傾向にあります。その中で有力各社は海外、とくに中国への出店を進めています。ユニーも上海へ出店を計画されていますが、進捗状況はいかがですか。
前村 やっと正式契約までこぎ着けたところです。正式なオープンは来期(14年2月期)になる予定です。
立地は上海市の内環状内にある一等地で、家賃は非常に高い。当然、場所に見合ったスタイルで出す必要があり、その意味では非常にシンボリックな店になります。食品部門だけはすべてユニーの直営ですが、それ以外の衣料、住居関連についてはテナント、もしくはコンセッショナリー(名前を出さない専門店)チェーンが中心の構成になります。
──中国での事業展開といえば、10年に中国の食品最大手、頂新国際集団と合弁会社を設立しています。
前村 国内と違って中国ではビジネスの勝手がわからないことも多く、リスクも少なくありません。そのため頂新さんとのアライアンスはとても心強く感じています。実は、上海での店舗展開は3店までは場所が決まっています。3号店は頂新さんが建設する商業施設に「アピタ」がテナントとして入る予定です。
また3号店まではすべて内環状エリアを計画しています。しかし都心であるため物件の形、立地、商圏は多様であるのが現状です。つまりチェーンストアとして標準的な店を出すには不向きなのです。そのため3号店以降は、少し家賃が安く、物件も選べる外環状エリアでの展開を考えています。