イオンとセブン&アイ 環境激変下の23年2月期上期決算を徹底分析!
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)とセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)の国内流通大手2社が2022年度の中間決算を発表した。原価高騰や水道光熱費増、円安などの厳しい事業環境のなか、両社とも大幅な増収増益を達成している。
イオン
厳しい外部環境下でも底力を見せつける!
イオンの23年2月期第2四半期連結決算は、営業収益4兆4871億円(対前年同期比3.3%増)、営業利益958億円(同23.3%増)、経常利益953億円(同22.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益 180億円(293.1%増)の増収増益だった。営業収益、営業利益、経常利益は過去最高を更新、四半期純利益は前年同期実績の約4倍に達するなど(いずれも旧収益認識基準の前年実績との対比)、いずれもコロナ前を上回る水準で好調を示した。
一方、上期の外部環境に目を向けると、6月後半ごろからコロナ感染拡大の第7波が到来。また、記録的な円安も手伝っての原材料費や、水道光熱費等の高騰、そしてもはや“定番”と化した猛暑や大型台風の襲来などもあり、経営面で見ても決して恵まれた状況とはいえなかった。吉田社長も「イオンとしても経験したことのないような複合的要素が重なる期間だった」と振り返るが、そうした厳しい環境下でも増収増益を達成したことで、イオンの底力を見せつけたといえるだろう。
なかでも経費面については迅速な対応が奏功した。「原材料価格、物流費、人件費などあらゆるコストが上昇したが、とくに大きく影響したのは水道光熱費で、(前年同期から)250億円弱増加した」(吉田社長)という。これに対して、店頭やバックオフィスの節電、省電力型の機器への切り替え、レジ周りや店内作業のデジタル化を進めたことで、販管費全体への影響を最小限にとどめた。「(下期以降も)上期の成果を継続していくことで、経営へのインパクトを吸収していく」と吉田社長は語った。
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