東急ストア、大堀左千夫新社長に聞く!「引き出しを増やし成長する」戦略とは
電鉄系食品スーパー(SM)最大手の東急ストア(東京都)は、東急(東京都/髙橋和夫社長)グループ、またEC事業者である楽天グループ(東京都/三木谷浩史 会長兼社長)との連携を進めている。デジタル技術の導入にも積極的で、顧客の支持獲得や、従業員の働く環境の整備に挑戦している。3月1日に社長に就任した大堀左千夫氏に直近の施策と今後の成長戦略について聞いた。
グループ企業と合併、多様な立地へ出店可能に
──代表取締役社長に就任した3月1日、東急ステーションリテールサービスを吸収合併し、新生・東急ストアが誕生しました。
大堀 東急ステーションリテールサービスは、東急線の駅ナカ・駅チカで展開する、コンビニエンスストア(CVS )「ローソン+toks」、駅売店「toks」、フランチャイジーとして展開するドラッグストア「マツモトキヨシ」、自販機など、SMとはまったく異なる業態を運営する企業でした。ですので、互いの事業内容を理解し合いシナジー効果を発揮するにはある程度の時間が必要です。そこで、期初の組織変更に伴い、ステーションリテール事業を担う「ステーションリテール事業室」を新設しました。慎重に段階を踏みながら両社の融合を進めたいと考えています。
──具体的にどのようなシナジー効果をねらっていますか。
大堀 小売業界では事業領域の垣根がなくなりつつあります。そうした変化のなかにあって、東急ストアは合併により“引き出し”を増やし、多様な立地への出店が可能になりました。物件に応じた業態を積極的に出店していきたいと考えています。
ほかにも、自販機の台数が増えることによるスケールメリットなど、シナジー効果は多数あると確信しています。
ネットスーパーでもドミナント戦略を敷く
──SM事業についてお聞きします。既存店売上高成長率は2020年度が101.1%、21年度が99%。久々に前年度を下回ったものの堅調でした。
大堀 当社は