製造拠点持たない小売はサステナビリティにどう取り組む?三越伊勢丹の答えthink good

堀尾大悟
Pocket

三越伊勢丹のサステナビリティを表現した合言葉「think good」

MD統括部
MD統括部ストアクリエイショングループの鳥谷悠見氏

 三越伊勢丹の歴史の中に、サステナビリティのヒントはある。その気づきを社内に与えたのが、MD統括部ストアクリエイショングループの鳥谷悠見氏だ。それは、2020年の1回目の緊急事態宣言期間中のことだった。「全館が一斉に休業を余儀なくされる中、当社のブランディングについて考えようと、三越と伊勢丹に関する文献を読んだ。そこで、数百年にわたる先人の歩みには、今日のサステナビリティに通じる普遍的なメッセージがあると感じた」(鳥谷氏)。

 鳥谷氏が中心となりそのグループの歴史を社内にシェアしたところ、10日間で160人もの社員からメッセージが寄せられるなど大きな反響があったという。歴史が教えてくれたメッセージをヒントに、グループ全社でサステナビリティに取り組む上での合言葉が生まれた。それが「think good」である。

 「一つの価値観を大切にするというよりは、お客さまや取引先も含めて、多様な価値観を大切にする。そのために、多くの選択肢を用意する。それこそが、三越伊勢丹が提案するサステナビリティらしさだと考えた」(同)。

 「think good」のロゴマークには吹き出しのアイコンをデザイン。「一方的に正解を押しつけるのではなく、一緒に問いを立て、未来を創造していきたい」(鳥谷氏)という思いを込めた。

1 2 3 4

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態