利用実態調査発表から見る、「スキマバイト」市場の最新トレンドとは?
スキマバイトを活用した人材戦略
スキマバイトを単発の労働機会として捉えるのではなく、その後の“関係構築”につなげようとする企業も増えている。たとえば、勤務後に店舗で買物をするといった付随する接点を通じて、利用者との継続的な関係性を育む動きだ。

「即戦力としての“瞬発力”と、企業との接点を繰り返し持つ“持続力”の両立がスキマバイトを活用した人材戦略の成功のカギを握る」と語るのは、発表会に登壇した人材研究所の曽和利光社長だ。
曽和氏は「未経験者でもすぐに仕事ができるよう、準備を整えることが重要だ。たとえば、某ファストフードチェーンでは、10分程度の動画を視聴すれば、すぐに現場で業務に就ける仕組みが整っている」と語る。
こうした中、企業はスキマバイト経験者を「再稼働が見込める人材」として捉え、必要な時に再度働いてもらえる関係を築く取り組みを進めている。曽和氏は「企業が過去の退職者(アルムナイ)や社員紹介(リファラル)から人材を確保する動きが広がるなかで、スキマバイトを通じた“関係採用”も新たな手法として注目されている」と話す。
たとえば、イオンファンタジー(千葉県)では、スキマバイトを通じて「まず試しに働いてみる」機会を提供し、何度か働くうちに長期雇用へとつながるケースが生まれている。こうした活用法は、スキマバイトを正社員採用のステップとして捉える企業の広がりにもつながっている。
こうした取り組みを通じて、企業と求職者の双方にとって持続可能で柔軟な働き方の実現が進み、スキマバイトは単なる“短期の労働手段”から“関係を築く雇用の入口”へと進化しつつある。







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