利用実態調査発表から見る、「スキマバイト」市場の最新トレンドとは?

大正谷 成晴 (フリーライター)
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

物流・小売・飲食の3業界のスキマバイト活用の実態

 スキマバイトは、業界ごとにその活用方法が異なる。物流・小売・飲食の3業界における代表的な活用パターンは以下の通りだ。

  • 物流業界:平日メーンで、商品の仕分け・ピッキング・梱包作業を任せる
  • 小売業界:週末メーンで、品出し・商品陳列・掃除・レジ・会計などの業務を任せる
  • 飲食業界:週末メーンで、フードや飲み物の配膳、掃除、皿洗いといった作業を任せる

 これらの業務は、いずれも高度なスキルを必要とせず、未経験の人材にも依頼しやすい内容が中心だ。そのため、短時間でも人手が確保できれば業務を回しやすく、スキマバイトとの親和性が高い。

 また、業界ごとに人手が求められるタイミングも異なる。物流業界では早朝や深夜、小売業では開店前の品出しや清掃、飲食業ではランチやディナーのピークタイムにスキマバイトの活用が集中している。

 1回あたりのスキマバイト採用人数では、物流業界や小売業界が飲食業界よりもわずかに多く、いずれの業界も全体の2割程度のシフトをスキマバイトでまかなっている。一部の小売店舗では、品出しや清掃といった定型業務の多くをスキマバイトで運用しているケースもある。

 さらに業界別に見ると、物流業界では、1拠点あたり平均15.7人をスキマバイトとして雇用しており、これは飲食業界の約4倍(飲食業界は約3.9人)にのぼる。これは、物流現場が広大な倉庫内での作業となるため、他業界よりも多くの人数が必要になるからだ。太田氏は「実際、メルカリ ハロでも同一事業者が当日に複数の求人を掲載するケースが多く見られる」と話す。

 

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記事執筆者

大正谷 成晴 / フリーライター
資産形成・運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)など

取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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