4月ロイター企業調査:22年度採用「変わらず」が7割強、副業広がらず

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都内の横断歩道
4月19日、4月のロイター企業調査によると、コロナ禍における2022年度の採用計画は「変わらず」とした企業が7割を超えた。写真は東京都で2020年4月7日撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 19日 ロイター] – 4月のロイター企業調査によると、コロナ禍における2022年度の採用計画は「変わらず」とした企業が7割を超えた。21年度採用ですでに水準を下げている企業があるほか、今後の事業拡大など長期的視野に立つ中で採用を進める企業もある。一方で、新型コロナによる収益への打撃も大きく、2割弱が採用減を見込んでいる。

調査期間は4月2日から13日まで。発送社数は482社、回答社数は238社程度だった。

「過去の教訓で、採用は長期的視野で進めないと、後のリカバリーが大変になる」(輸送用機器)、「事業拡大を見据えた安定的かつ継続的な採用計画を立案している」(運輸)―――。コロナ禍でも、22年度の採用計画が前年比で「変わらない」と答えた企業は72%に上った。

ただ、変わらないとした企業の中には「21年度採用が大幅減だった」(紙・パルプ)とする企業もあり、引き続き厳しい採用状況を継続するという企業もある。採用凍結や減少と答えた企業も18%となり、新型コロナは引き続き、採用にも影響を及ぼし続けると言える。

一方で、リストラを実施、または検討している企業は7%にすぎない。

職務内容を明確に定義、勤務地などが決まった形で採用を行う「ジョブ型採用」を実施している企業は11%にとどまったが、「検討している」は30%となった。化学製品や鉄鋼・非鉄、食品など「実施している」がゼロの業種も複数ある一方で、情報サービス・情報通信は「検討している」が60%に上り、今後、導入が高まる可能性がある。

検討している企業からは「組織の競争力を高めるため」(電機)、「専門知識のある人材が重要になりつつあるため」(小売り)などの指摘があった。

働き方改革として注目される副業・兼業は、「認めている」が15%、「検討中」が5%にすぎず、まだ、浸透していないようだ。「多様な視点を持ってもらうため」(電機)などとして認めている企業でも、実際に副業・兼業を行っている社員は10%未満にとどまっている。

進んでいるのは小売業とサービス・その他で「認めている」と「検討中」が計36%。一方、石油・窯業や鉄鋼・非鉄、卸売りはゼロとなっている。認めることができない企業からは「本業がおろそかになると考える」(放送業)、「製造業にはそぐわない」(輸送用機器)などの声があり、従来からの考え方を変換するには至っていない。ただ、規定により認められていないものの「今後は検討していかなければならないと思う」(運輸)と、頭を悩ませている企業の姿もみられた。

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