アトレに公取委が警告=テナント契約、一方的に変更

駅ビル内などの商業施設に入るテナントに対し、ポイントサービスの運営費用を負担するよう契約を一方的に変更したのは独禁法違反(不公正な取引方法)に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会は5日、JR東日本子会社のアトレ(東京都渋谷区)に警告した。
公取委によると、アトレは昨年7月、首都圏の駅ビル内などの商業施設に入るテナント約600社に対し、十分な協議をしないまま、ポイントサービス「JREポイント」の運営費用を今年4月から一部負担するよう取引条件を一方的に変更した。それまではアトレが負担することでテナントと合意していたが、文書で通知しただけだった。
公取委は、アトレが立場の強さを利用し、協議や覚書を交わさずに一方的にテナントに負担を求めることは、独禁法で禁じる「優越的地位の乱用」に当たる恐れがあると判断した。
公取委の調査を受けたアトレは先月、取引条件の変更を撤回するとテナントに通知。現在、改めて協議しているという。
アトレはJR東日本の駅ビルなどで25の商業施設を運営。JREポイントの会員数は昨年11月末時点で約1578万人に上る。アトレは「警告を真摯(しんし)に受け止め、今後、法令順守の取り組み強化や再発防止を徹底していく」とコメントした。