12月の米雇用、22万3000人増=予想上回る、失業率3.5%に改善
【ワシントン時事】米労働省が6日発表した2022年12月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から22万3000人増加した。伸びは11月の25万6000人増(改定)から鈍化したものの、市場予想(20万人増)を上回った。失業率は3.5%と、前月から0.1ポイント低下した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年、約40年ぶりの高インフレの抑制を目指して急速な利上げを進めたにもかかわらず、国内の労働市場が堅調を維持していることが改めて示された。
業種別の就業者数は、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた娯楽・接客が前月比6万7000人増と、回復が続いた。医療部門も同5万5000人増と好調だった。平均時給は前年同月比4.6%上昇と、伸びは前月から減速した。
米国では好調な雇用情勢を背景とする人手不足により、人件費が大幅に上昇。物価上昇圧力は、中古車などモノを中心に緩和の兆しが見られるものの、接客など労働集約型のサービス分野の価格はなおも顕著に上がっている。
FRBはこのところ、特にサービス分野の価格動向を警戒。利上げを継続して景気を冷やし、失業率がある程度悪化してもインフレの沈静化を図る意向だ。
◇米雇用統計概要
11月 12月
失業率 3.6% 3.5%
非農業部門就業者数 25.6万人 22.3万人
民間部門 20.2万人 22.0万人
物品生産部門 2.7万人 4.0万人
サービス部門 17.5万人 18.0万人
政府部門 5.4万人 0.3万人
労働時間(週平均) 34.4時間 34.3時間
平均時給 32.73ドル 32.82ドル
平均時給伸び 4.8% 4.6%
労働参加率 62.2% 62.3%
U6失業率 6.7% 6.5%
長期失業者(半年以上) 121.5万人 106.9万人
経済的理由でのパート勤務 368.8万人 387.8万人
【注】▲は減少。「U6失業率」は完全失業者、正社員を希望しているパート労働者、働く意欲はあるが職探しをやめた人を加味した広義の失業率。