【ニューヨーク時事】米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは4日、1万8000人超の人員削減を実施すると発表した。当初は約1万人としていたが、対象を拡大。小売りや管理部門が中心という。景気後退懸念が強まる中、米IT企業ではリストラの動きが加速している。
ジャシー最高経営責任者(CEO)は、従業員向けの書簡で「今回の変化は、コスト構造を強化し、長期的な可能性を追求するのが目的だ」と説明した。同社の従業員は物流倉庫で働く人が多くを占めるが、今回の人員削減は、開発など幅広い部門に及ぶ。米メディアによると、アマゾンの被雇用者は約150万人。
一方、米顧客管理ソフトウエア大手セールスフォースも同日、今後数週間で約1割の人員削減に踏み切ると明らかにした。
米IT大手各社は、新型コロナウイルスの感染拡大期に、ネット通販の需要増やビデオ会議の普及を追い風に事業を拡大し、採用を強化した。しかし、先行き不透明感が増す中、人件費などが重荷となっており、コスト削減圧力が高まっている。メタ(旧フェイスブック)やツイッターも大規模なリストラを決めている。
セールスフォースのベニオフ最高経営責任者(CEO)は、従業員向けの書簡で「経営環境は依然厳しく、顧客は商品の購入により慎重になっている」と理解を求めた。