21年度生乳生産、2.9%増=コスト上昇、経営悪化警戒―Jミルク
全国の酪農団体などでつくるJミルク(東京)は3日、2021年度の全国生乳生産量が前年度比2.9%増の764万7000トンだったと発表した。増産は3年連続。一方、ロシアのウクライナ侵攻で生産コストの上昇に拍車が掛かっており、Jミルクは厳しさを増す酪農家の経営環境に警戒感を示した。
22年度の生産量見通しは0.8%増の771万トン。牛乳類の需要見通しは0.1%増の463万8000トンとほぼ横ばいを見込んだ。訪日観光客の受け入れ再開など、コロナ禍で落ち込んだ業務用需要は回復が期待されるが、「食品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫して牛乳消費が減退する」(酪農関係者)との見方も出ている。
酪農・乳業をめぐっては、穀物市況の高騰による配合飼料価格の上昇や燃油の値上がりが影響し、厳しい経営環境が続いている。今後、こうした生産コストの上昇が続けば廃業のリスクが高まるとして、Jミルクは「生産者の経営改善が急務となっている」と指摘した。