エーザイ、米でアルツハイマー薬申請方針に変更なし=保険適用めぐる決定受け
【ニューヨーク時事】日本の製薬大手エーザイは8日、米バイオ医薬品大手バイオジェンと共同開発中のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、「迅速承認」制度を使った米国での申請方針に変わりがないと表明した。
両社が共同開発し、既に米国で販売されている別のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」に対し、米当局が7日、公的医療保険の適用を臨床試験(治験)参加者に限ることを決めた。症状改善を示す十分な根拠がないためとしている。今後、同じ仕組みの薬が迅速承認制度で承認された場合も、保険適用範囲を大きく制限する方針だ。
一方エーザイは「レカネマブ」について、治験で高いレベルの根拠を示すことができると説明。このため、同薬が承認されれば、当局が医療保険の「フルカバレッジ(完全適用)を検討する可能性が高い」と、自信を示した。
エーザイによれば、レカネマブは米食品医薬品局(FDA)の迅速承認制度を使い、承認取得に向けた段階的申請を今年半ばまでに終える見通し。また、同薬の治験では、最終段階に当たる第3相試験の主要データが今秋にそろう見通しだ。