「デジタル化と小売業の未来」#13 若者の間で広まる「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」とは何か?

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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ウィッシュリストに商品を入れるだけで満足する人も

 ほかには「ウィッシュリストショッピング」という消費行動もあります。現在はネットやSNSで情報が爆発的に溢れているため、情報のインプット量が飛躍的に多くなっています。一昔前であれば、TVCMなどを見てその商品が欲しいと思った場合、学校や仕事で平日に買物する時間を確保できないため、最短でも手に入るのは週末で、それまでそのことを覚えていなければなりませんでした。

「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」をする人が増えている
デジタル化の進行で「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」をする人が増えている

 しかし、今はアマゾンなどで自分のショッピングカートやウィッシュリストにとりあえず欲しい商品を入れておけば、自分で覚えておく必要はありません。結局忘れてしまって買わない場合もありますが、現代では覚えることが増えているせいで、とにかく「デバイスに情報を入れて自分は忘れたい」というマインドがあり、欲しいものは買物に行けるようになるタイミングまで覚えておくものではなく、ウィッシュリストやショッピングカートにとりあえず入れておくものになっているのです。リストやカートに入れておくことが楽しくて、それに満足する人もたくさんいますし、それ自体を買物行動として楽しむような傾向も増えているほどです。デジタルが普及することで、週末に買物に行くこと自体が楽しいという気持ちはこれらの消費行動により日に日に薄まっているのです。

 

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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