中国のアリババ、年間の増収率は上場後最低に
[18日 ロイター] – 中国の電子商取引大手アリババ・グループは2022会計年度の売上高が前年度比20―23%増となり、年間の増収率として2014年の上場後で最低になるとの見通しを発表した。消費の減速や競争の激化、規制強化により、同時発表された7―9月期決算は予想を下回った。
アリババは米国株式市場で18日の取引開始前に3%下落した。
先週実施された、毎年恒例となっている世界最大のオンライン通販祭典「独身の日」での売り上げの伸びは、開始後で最低だった。
アリババや配車サービス大手、滴滴出行(ディディ)といった中国の大手ハイテク企業は、規制当局が独占禁止や安全を理由にして取り締まりを強化したことによる圧力を受けている。
中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)も規制強化の影響を受け、四半期の増収率が04年の上場後で最低だった。
アリババの創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は、中国の規制制度を昨年批判して以来、公の場にほとんど姿を見せていない。
中国の規制当局は、アリババ傘下のフィンテック関連企業、アント・グループが昨年11月に予定していた370億ドル規模の新規株式公開を取りやめさせ、今年4月にはアリババに対して反競争的ビジネス慣行を理由に過去最高となる28億ドルの罰金を科した。
アリババは罰金を課された四半期に上場後で初めての営業赤字を計上し、今年に入ってから時価総額が約3分の1減った。
7―9月期決算の売上高は前年同期比29%増の2006億9000元(314億4000万ドル)となり、過去6四半期で最も低い成長率となった。リフィニティブのアナリストの平均予想は2049億3000万元だった。調整後の純利益は285億2000万元となり、前年同期から39%減った。
調整後の1株当たり利益は11.20元。予想の12.36元を下回った。
アント・グループの4―6月期利益は約197億元だった。アリババは、アントからの利益を1四半期遅れで計上している。