7社でシェア9割の家電業界 寡占化のゆくえと加速する“脱家電”への動き

経済産業省の「2019年商業動態統計年報」によると、19年度の家電量販店業界の市場規模は、対前年比2.0%増の6兆2560億円だった。上位7社による寡占化率は同1.2ポイント(pt)減の88.6%。ここ数年続いていた上位集中傾向に歯止めがかかるなか、各社は家電販売以外の事業拡大に注力し、経営の多角化に取り組む姿勢が窺える。
コロナ禍でTVやゲーム類が好調
ここ数年はマーケットが縮小傾向にあったものの、昨年に続き19年度も市場規模が拡大した家電業界。対前年度比では上位7社のうち6社の売上高が増収と好調だ。主な要因は、7~10年ごとに到来する家電の買い替えサイクルの影響である。11年3月の家電エコポイント制度終了や、同年7月の地上デジタル放送への完全移行から約10年が経過し、エアコンや冷蔵庫など大型家電の買い替え需要が高まっている。
コロナ禍では家庭での時間を充実させるTVやゲーム、調理家電などの売上が好調だが、人口減少や高齢化により、中長期的な市場縮小は避けられないとの見方は強い。そうしたなか家電量販店各社は、家電販売に続く新たな収益源の育成を急いでいる。
ヤマダHDは大規模な組織再編を実施
20年10月に持ち株会社制に移行し、ヤマダ電機から商号変更した最大手ヤマダホールディングス(群馬県:以下、ヤマダHD)は、
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