ホームセンターの注目プロモーションをピックアップ!来店価値を高める売場づくりのアイデアとは?
顧客の来店価値を高め、購買意欲を高める売場を構築することは、競合店舗との差別化につながる。今回は本誌が2019~20年に取材した店舗から注目の売場をピックアップ。各社がどのような施策をとっているのか、紹介する。
本年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、顧客ニーズが大幅に変化。とくに緊急事態宣言以降、ホームセンター(HC)業態の売場や品揃えにも大きな変化が生じている。
コーナン商事(大阪府/疋田直太郎社長)の「ホームセンターコーナン大津瀬田川店」は「原点回帰」をストアコンセプトに掲げ、「ホームインプルーブメント」「園芸・エクステリア」「レジャー」の3分野を強化した。ゴンドラエンドではさまざまなテーマを設けてDIYや商品を提案する売場が随所で見られ、たとえばすのこを使って傘立てや収納具を自作するなど、コロナ禍での新しいホビーも提案している。
ダイユーエイト(福島県/浅倉俊一社長)の「ダイユーエイト一関店」は、グループ企業のホームセンターバロー(岐阜県/和賀登盛作社長)からノウハウを学び導入した「アウトドアワールド」が特徴。ファニチャーテーブルやパラソルといった、コロナ自粛中でも自宅の庭でアウトドア気分を楽しめるような「ガーデンアウトドア」商材を充実させている。
ナフコ(福岡県/石田卓巳社長)の「ホームプラザナフコ東鳥取店」は「快適で利便性の高い買物空間」を追求した新しいタイプの店舗。山陰エリアでの旗艦店と位置づけ、コロナ禍でも手軽にモノづくりが楽しめるDIY商品を充実させている。
新型コロナウイルスの影響により、移動手段としてあらためて注目が集まっている自転車。ロイヤルホームセンター(大阪府/中山正明社長)の「ロイヤルホームセンター戸田公園」では、地域住民のニーズに応え、電動アシストやスポーツ用などサイクルコーナーの品揃えを拡充した。
ホームセンター業態で最近増えているのが、ユーザーがイメージしやすいシーンの提案だ。カインズ(埼玉県/高家正行社長)の「カインズ龍ケ崎店」は、茨城県南部のドミナント化を進めるための橋頭保となる店舗。ニーズの高いグリーン部門を強化し、広い外売場を生かして花苗や肥料を販売するほか、店舗入口付近でインテリアグリーン売場を展開している。
カンセキ(栃木県/ 大田垣一郎社長)の「カンセキ栃木そのべ店」は同社13年ぶりの新規出店となった店舗。40代のファミリー層や女性客の取り込みをねらっており、インテリア売場はただ商品を陳列するのではなくシーンを訴求する、提案型の売場づくりに取り組んでいる。
ダイユーエイトの「ダイユーエイト鶴岡店」でも、利用シーンを訴求する売場づくりにチャレンジ。とくにアウトドア用品を集積した「アウトドアワールド」では、売場面積の約6割を平面で商品展示し、実際のアウトドアシーンを訴求する「コト売り」に力を入れている。
ひらせいホームセンター(新潟県/清水泰明社長)の「ひらせいホームセンター庄川店」も、商品カテゴリーごとに並べるのではなく、利用シーンに合わせた売場づくりを行っている店舗の1つ。たとえば除雪・融雪をテーマにした売場では、三角コーンや融雪剤などを集積している。
体験型の売場づくりに取り組む企業も増えている。アレンザホールディングス(福島県/ 浅倉俊一社長)傘下のペット専門店アミーゴ(福島県/中村友秀社長)では、2019年12月、「ペットワールドアミーゴ福島西店」を増床リニューアル。国内最大級の広さを誇る同店では、鳥類を展示している「バードルーム」の一角に、鳥を手に乗せたり餌をあげたりする体験コーナーを設置した。
「ホームセンターコーナン足立扇店」の店内で特徴的なのが、部門を超えて広くDIY商材を集めた「DIYリノベーション」売場。工具の貸し出しを行う工作スペース「DIYラボ」も併設している。
山梨県初出店となったビバホーム(埼玉県/渡邉修社長)の「スーパービバホーム甲斐敷島店」。同店の生活館では、ただ商品を販売するのではなく、シャワーヘッドの体験売場を設置するなど、触って体験できるというリアル店舗の特徴を生かす工夫を行っている。
島忠(埼玉県/岡野恭明社長)の「ホームズFUJI MALL吹上店」は、ショッピングセンター内の小型店舗。洗剤やシャンプーの香りサンプルをはじめ、ティシュとトイレットペーパーの触り心地を試すことができるコーナーを設置するなど、リアル店舗ならではの訴求を積極的に行っている。
※掲載した写真はすべて取材時のものです。現在の売場と異なる場合があります。