米卸売在庫、5月は1.2%減 新型コロナで輸入10年ぶり低水準
[ワシントン 9日 ロイター] – 米商務省が9日発表した5月の卸売在庫は前月比1.2%減少した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で輸入が約10年ぶりの低水準となった。第2・四半期が1930年代の世界大恐慌以来の経済縮小になるとの見方を裏付けた。
予想は1.2%減で一致した。4月は0.2%増だった。国内総生産(GDP)の算出に利用される自動車を除いた卸売在庫は5月に0.7%減少した。
5月のモノの輸入は新型コロナ危機の影響で需要が抑制され、世界貿易が混乱したことから、2010年7月以来の低水準に落ち込んだ。また、米中の貿易戦争も輸入抑制の要因。
輸入減少はGDP上はプラスだが、輸出減少がさらに拡大していることから貿易赤字が拡大。在庫圧縮が続いていることも相まって、過去最大のGDP減少につながるとみられている。第1・四半期の米経済は年率5.0%縮小し、07─09年の大不況以来の急激な縮小ペースとなった。
米経済は2月にリセッション(景気後退)入り。エコノミストは、今月発表される第2・四半期GDPが最大35%急減するとみている。
5月は幅広い業種で在庫が減少し、自動車・部品は5.1%減少した。
卸売売上高は4月の16.4%減から5.4%増に改善した。5月の売り上げペースで在庫が全てはけるのに必要な期間は1.53カ月。4月は1.63カ月だった。