資生堂、1―3月期は83%営業減益 ワーストシナリオ前提に構造改革

ロイター
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[東京 12日 ロイター] – 資生堂は12日、2020年1―3月期の連結営業利益が前年同期比83.3%減の64億円になったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて売上高が急減するなか、マーケティング投資や人件費などコスト削減を進めたものの、粗利益減をカバーできなかった。2020年12月期の通期見通しは取り下げ、1―6月期決算発表時に改めて開示するとした。

1―3月期の連結売上高は同17.1%減の2268億円だった。新型コロナの世界的なまん延により、全ての地域で減収となった。特に日本では、2月以降インバウンドが60%減と大きく落ち込んだほか、外出自粛の影響で日本人の購買も減少した。一方で中国は、3月末からECを中心に「リベンジ消費」(魚谷雅彦・社長兼最高経営責任者)として、回復を見せている。

魚谷CEOは、新型コロナウイルスからの回復まで2―3年を要するワーストシナリオを前提に抜本的な構造改革を進める方針を示した。

2020年については、コスト管理を徹底することで、新型コロナの経営への影響の最小化を図るとともに、中国市場の回復に対する戦略的投資の実行、中長期の新ビジョン・戦略の再構築を進める。21―22年に事業・ブランドポートフォリオの組み換えやデジタルを駆使した事業モデルへのシフト、生産性の向上などに取り組む。

手元流動性については、当座貸越枠拡大やコミットメントラインの設定により、新たに2000億円の資金調達枠を確保。さらには、設備投資案件の延期・中止で400億円を減額する予定。

2020年12月期の業績予想と年60円としていた配当予想は取り下げた。これまでは、連結売上高が前年比7.8%増の1兆2200億円、営業利益は同2.8%増の1170億円の見通しを示していた。リフィニティブがまとめたアナリスト18人の営業利益予想の平均は939億円となっている。

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