テスコ、中国合弁会社の持ち株を売却、中国から完全撤退

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テスコ外観
海外事業を縮小する一方、株式売却によって得た収入は主に国内への投資などに充てられる見通しだ。gettyimages/ilbusca

 英小売業最大手のテスコは2月25日、中国合弁会社ゲインランド(Gain Land)の株式を合弁相手である中国国有企業のチャイナ・リソーシズ・エンタープライズ(華潤創業)に売却し、中国市場から完全徹底することを明らかにした。

 テスコは2014年、チャイナ・リソーシズと合弁でゲインランドを設立し、中国事業をゲインランドに移管。ゲインランドには20%を出資しているが、保有する全株式をチャイナ・リソーシズに売却することで合意した。

 テスコはピーク時に中国で約130店舗を展開していたが、競争の激化で業績が悪化。子会社のCRバンガード(華潤万家)を通じてハイパーマーケットや食品スーパーなどを展開するチャイナ・リソーシズと合弁会社を設立することで、事実上、中国事業を切り離した。

 今回の株式売却によりテスコは約2億7500万ポンド(約390億円)の現金収入を得る。同社は海外事業を縮小する一方、国内の既存店改装やプライベートブランド商品の強化などを進めており、株式売却によって得た収入は主に国内への投資などに充てられる見通しだ。

 テスコは12年に日本と韓国から撤退、13年には米国事業を売却し、主力の英国事業の立て直しを進めてきた。近年は業績が回復しているが、タイとマレーシアの事業についても売却を含めて戦略的な見直しを図っていることを認めており、合弁事業を展開するインドを除いてアジアから全面的に撤退する可能性がある。

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