外食大手、好調維持=値上げ奏功、客数も堅調
ファミリーレストランやファストフードなど外食大手5社が14日までに発表した決算は、値上げで客1人当たりの購入額が増加したことなどが収益を押し上げ、おおむね好調を維持した。新商品や期間限定品を投入し、価格上昇による客離れを回避した。
すかいらーくホールディングス(HD)が同日発表した2024年6月中間連結純利益は、前年同期比約11倍と大幅増だった。「ガスト」などでの値上げが奏功し、客単価が約3%増加。人気アニメとのコラボ商品が好評で、客数も約9%伸びた。日本マクドナルドHDは、営業利益と純利益が中間業績で過去最高を更新。ロイヤルHDも増収増益だった。
ゼンショーHDは、「すき家」で一部値上げや深夜料金を導入したが、季節限定メニューなどで客を引き付け、4~6月期連結決算は売上高、各利益とも過去最高となった。一方、傘下に「かっぱ寿司」などを持つコロワイドは、広告費などの販売管理費がかさみ減益となった。
先行きには不透明感も漂う。マクドナルドHDの吉田修子取締役は「円安などで(物価上昇に伴う)消費需要への懸念や、牛肉、ジャガイモなどの原材料価格の上昇も見込まれる」と指摘。すかいらーくHDの金谷実社長も「最低賃金上昇やコメ価格の高騰で、今後はコスト増が加速する」と話した。
◇外食大手5社の連結決算
売上高または売上収益 純利益
【2024年6月中間】
▽日本マクドナルドHD 2,009(10.2) 148 (31.0)
▽すかいらーくHD 1,914(12.7) 62 (約11倍)
▽ロイヤルHD 726(12.5) 29 (約 2倍)
【24年4~6月期】
▽ゼンショーHD 2,665(24.4) 107 (61.7)
▽コロワイド 633(10.7) 10(▲50.1)
(注)単位億円。カッコ内は前年同期比増減率%または倍率。▲はマイナス。すかいらーくHDとコロワイドは国際会計基準、売上高は売上収益。HDはホールディングス