東急が事業化、アパレルバイヤー向け卸売ECの未来像とは

吉牟田祐司
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東急(東京都/堀江正博社長)が日本国内のアパレル店バイヤー向けに海外ブランドのECサイトを開設、ファッション卸売のサービスを始めた。そこには、どのような狙いがあるのだろうか。事業提案者の1人でプロジェクトリーダーの荒川真梨氏に話を聞いた。

海外ブランドの仕入れをもっと簡単に

makepreスマホトップ
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 2023年秋に開設された「makepre(マケプレ)」は、海外ファッションブランドのアパレル、バッグ、シューズなどを仕入れられるB2B向けの卸売ECプラットフォームだ。グループ全従業員を対象に実施されている東急の社内起業家育成制度で選ばれ、事業化された。

 事業提案したのは東急モールズデベロップメント(TMD)の荒川氏と石山賢氏、SHIBUYA109エンタテイメントの崔有梨氏。それぞれSHIBUYA109でリーシングやMD(商品政策)などの業務を経験してきた3人が、たまプラーザテラスのマネジメントオフィスで出会って意気投合。荒川氏と崔氏は、新興ブランドの発掘・育成を目的にテーマにあわせて商品を変えるSHIBUYA109の「IMADA MARKET(イマダマーケット)」で、3040の韓国ブランドを取り扱っていた。その際、ブランドとの接点を持つことに苦労した経験が、バイヤーを支援する「makepre」のサービスにつながったという。

 「海外ファッションブランドと接点を持つ方法は、SNSやネットで検索をしたり、現地の展示会を回ったり、詳しい人に紹介してもらったりと、地道でアナログなやり方しかない。実際に取引するのにも、DMを送ったり、飛び込み営業をしたり、手間と時間、コストがかかる。それでいて確実に取り扱いできるかというとそうではなく、成功するときもあれば、失敗することもある。そこで、もっと簡単かつ手軽に取引できないかと考えて生まれたのが『makepre』」(荒川氏)

東急プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーの荒川真梨氏

 事業を創造する意欲・能力のある従業員を支援する東急グループの社内起業家育成制度ではこれまで、会員制サテライトシェアオフィス事業や定額制の回遊型住み替えサービスなどが事業化されてきた。「makepre」は9つ目の事業化案件で、ファッション・貿易に関する事業が選ばれたのは初めてだったという。

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