フーコット展開開始から2年 調査で見えた進化と課題とは
ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)が2021年8月に展開をスタートしたディスカウントフォーマットの「フーコット」。緩やかなペースながら出店を重ね、23年末まで4店舗を出店、24年1月下旬には5号店となる「フーコット三芳店」(埼玉県入間郡)をオープンする予定だ。本稿では、じわりと拡大するフーコットの実力を探るべく、オープンから一定期間が経過したフーコットの既存店を調査した。
オープンから1年半超 開店前には行列が!
今回、調査対象としたのは、2022年3月15日にオープンした「フーコット昭島店」(東京都昭島市:以下、昭島店)だ。

●オープン日: 2022年3月15日
●所在地: 東京都昭島市もくせいの杜2-6-1
●駐車場: :310台
●売場面積: 3572㎡(1080坪)
昭島店は、21年8月にオープンした1号店の「フーコット飯能店」(埼玉県飯能市:以下、飯能店)に続く、2号店の位置づけとなる店舗。飯能店が他社スーパーマーケット(SM)の退店後への居抜き出店だったのに対し、昭島店は新設店。加えて、売場面積が3572㎡と飯能店より広く、新フォーマットとして表現したいことを十分に組み込んだ、実質的な1号店と考えられることから今回の調査対象としている。
23年11月下旬、開店時間である10時の少し前に店舗に到着すると、平日にもかかわらず、店先には50人ほどの行列ができていた。オープンから2年近く経った店舗に開店待ちの行列があるというだけでも、昭島店が順調にリピート客を増やしていることがうかがえる。
そうしたお客の多くが目当てとしているのが、正午を過ぎると売り切れる恐れのある生鮮食品だ。中でも青果は、多くのお客が複数点をカートに入れていた。購入頻度が高い青果で支持を得ることは、新規顧客の獲得とファンづくりのために真っ先に取り組まねばならないことだ。そういう意味でも、昭島店は顧客の取り込みに成功しているといっていい。
計算された数量コントロール
「昭島店」の現状を確認し、5つの視点で整理してみたい。
1つめは「商品構成」だ。昭島店では、生鮮3品、日配品、加工食品ともにコモディティ商品を中心に、本マグロや黒毛和牛といった高級商材を値ごろな価格で販売し、ごちそう需要にも応えようとする、品揃えの「幅」と「深さ」の両立をオープン時と変わらず維持していた。

一方で、
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