2023年騰落した小売・外食株トップ10と2024年に注目すべき2つの変化とは
さて、年初ですので、
外食株が躍進した2023年 騰落1位の企業は?
2023年の株式市場は一言で言えば株高の一年でした。日経平均は年間+28%上昇しましたが、これは過去10年間で最大の上昇率です。2023年12月末は33464円で、いよいよバブル期の最高値を超えて4万円台をうかがえはじめたと言えるでしょう。
小売株に目を転じましょう。株式時価総額の純増額でトップだったのはファーストリテイリングです。株価は+30%上昇しました。日本・アジアに続き、欧米事業の収益力強化が発現し始めており、ライフウエアというアイデンティティをもってアジアのメジャープレーヤーから真のグローバルプレーヤーへ順調に変貌を遂げています。株価の上昇も順当と言えます。
一方、株価騰落率のランキングは、筆者には年初のイメージとは異なる結果になりました。2023年末の株式時価総額1000億円以上の銘柄における年間株価騰落率のトップは次の通りです。
順位 |
会社名 |
2023年株価騰落率 |
2019年末からの累計騰落率 |
1 |
ゼンショーホールディングス |
+123% |
+199% |
2 |
物語コーポレーション |
+101% |
+211% |
3 |
パルグループホールディングス |
+96% |
+158% |
4 |
RIZAPグループ |
+90% |
▲0% |
5 |
サイゼリヤ |
+68% |
+89% |
6 |
良品計画 |
+51% |
▲8% |
7 |
トリドールホールディングス |
+50% |
+188% |
8 |
アダストリア |
+48% |
+40% |
9 |
ハイデイ日高 |
+47% |
+41% |
10 |
ローソン |
+45% |
+18% |
ゼンショーホールディングス、物語コーポレーション、サイゼリヤ、トリドールホールディングス、ハイデイ日高などの外食株の年間上昇率が突出しており、しかもこれら外食株の多くが新型コロナウイルスが流行する直前の2019年12月末の株価を大幅に上回る水準にあります。みなさまの印象はいかがですか?自分の不明を恥じるのですが、上位の顔ぶれの半数は想定外でした。
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