セブン&アイ、イオン23年度中間決算!両社、過去最高益更新も異なる中身

文:小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)、雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)とイオン(千葉県/吉田昭夫社長)の国内流通大手2社が2023年度の中間決算を発表した。コストプッシュ型インフレが進行し、厳しい環境下での経営を強いられた23年度上期だが、両社とも営業利益および経常利益は過去最高を更新している。両社の決算の中身を見ていこう。

セブン&アイ ホールディングス
海外CVS反動減直撃も、好調国内CVSがカバー

 セブン&アイの2024年2月期第2四半期連結決算は、営業収益が5兆5470億円(対前年同期比1.8%減)、営業利益が2411億円(同2.7%増)、経常利益が2268億円(同3.2%増)、四半期純利益が802億円(同 41.0%減)だった。

セブン&アイロゴ
海外コンビニエンスストア(CVS)事業減収の影響で営業収益は前期を下回ったものの、営業利益と経常利益は過去最高を更新

 後述する海外コンビニエンスストア(CVS)事業減収の影響で営業収益は前期を下回ったものの、営業利益と経常利益は過去最高を更新。四半期純利益は減益となったが、そごう・西武(東京都/田口広人社長)株式の譲渡に伴う特別損失を計上した影響が大きく、これを除いた実態ベースの四半期純利益は1439億円(同5.8%増)となっている。

 セグメント別業績を見ていくと、海外CVS事業は営業収益が4兆268億円(同3.8%減)、営業利益が1128億円(同2.4%減)だった。減収および減益の主要因はガソリン販売の反動減だ。とくに利益面では23年2月期第1四半期にガソリンCPG(Cents per gallon:ガソリン1ガロン当たりの粗利益額)が歴史的な高水準となったこともあり、24年2月期第1四半期はその反動減が直撃。第2四半期に入ってガソリンCPGは持ち直したものの、上期累計では減益着地となった。

 セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)を中核とする国内CVS事業は、営業収益が4707億円(同5.4%増)、営業利益が1385億円(同9.3%増)の増収・営業増益だった。セブン-イレブンのチェーン全店売上高は2兆7204億円(同5.1%増)、上期の既存店売上高伸び率は同4.7%増、全店平均日販は70万1000円(前年同期から3300円増)と、創業以来、初めて70万円を突破するなど、強さを見せつけた。

SST事業の抜本的改革、具体的な計画は?

 上期決算発表で焦点となったのが、

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小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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