セブン&アイ、井阪社長が続投=ファンド案退ける―株主総会
セブン&アイ・ホールディングスの定時株主総会が25日に東京都内で開かれ、井阪隆一社長の続投が承認された。井阪氏ら経営陣と、コンビニ分離を主張する「物言う株主」の米投資ファンドがそれぞれ取締役候補を提案。採決の結果、ファンド側の井阪氏退任要求は退けられた。
経営体制は維持されたものの、井阪氏への賛成率は76.36%と、株主提案がなかった昨年の94.73%を大きく下回った。退任を求めた米ファンドのバリューアクト・キャピタルは総会後、「セブン&アイの取締役や株主と建設的に関わり、次のステップを議論したい」とのコメントを公表。井阪氏らに成長加速と経営改革を求める圧力は続きそうだ。
バリューアクトは、主力のコンビニ事業セブン―イレブンのスピンオフ(独立)を実行して集中的に投資すべきだと主張していた。これに対して井阪氏は、食品を中心とした商品開発でイトーヨーカ堂などスーパー事業と連携する必要があると訴え、傘下にとどめる方針だ。
今回の総会で、会社側が提案した現職13人に新任2人を合わせた計15人の取締役候補全員が、選任に必要な議決権の半数を上回る賛同を得て承認された。バリューアクトが株主提案した新任候補4人の選任案は、いずれも否決された。
総会後、セブン&アイの取締役会は「当社の成長戦略への支持をうれしく思う。今後も株主の意見に耳を傾ける」との声明を公表した。
バリューアクトは2021年5月にセブン&アイ株の取得を公表。発行済み株式の4.4%の保有を表明している。